内容説明
かつて世界的に活躍した男女四人のスポーツ選手が、ある男を殺した。男は彼らの消し去らねばならない過去を知る唯一の人物だった。足のつかない犯罪を実行したはずの彼ら。しかし一人、また一人と何者かに襲われていく！迫りくるその姿は、さながら“毒蜘蛛”のようで―！得体の知れない何かに追い詰められる恐怖を鮮烈に描いた傑作サスペンス！
著者等紹介
東野圭吾［ヒガシノケイゴ］
１９５８年大阪生まれ。大阪府立大学電気工学科卒。エンジニアとして勤務しながら、’８５年『放課後』で第３１回江戸川乱歩賞受賞。’９９年『秘密』で第５２回日本推理作家協会賞受賞。２００６年『容疑者Ｘの献身』で第１３４回直木賞、第６回本格ミステリ大賞、’１２年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で第７回中央公論文芸賞、’１３年『夢幻花』で第２６回柴田錬三郎賞、’１４年『祈りの幕が下りる時』で第４８回吉川英治文学賞、’１９年第１回野間出版文化賞を受賞。意欲的に作風を広げ、幅広い層の読者から人気を得る（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじさん
129
かつては、世界的に活躍したスポーツ選手だった拓真、殉也、有介、翔子には、ドーピングに関わる暗い過去があった。彼らにドーピングを勧め、彼らの過去を知る千堂之則を殺害し、一切のデータを消去することで過去を清算しようとし、成功したかに思えたが。そこに千堂の作り上げた自信作の女サイボーグが復讐の牙を剥く。迫りくる恐怖、衝撃の真実。最後まで息の抜けない展開。スリルとサスペンスに溢れた小説。 2021/07/20
ま～くん
85
北京オリンピック終了直後に読了しただけに物凄くタイムリーな内容だった。ドーピングは恐らく無くならない。イタチごっこが続くだろう。4人の元トップアスリートが殺人を犯してでも守らなければならない秘密。復讐の鬼と化した身長190cmを超える謎の影は彼等を追い詰めていく。どんな武器、手法が登場するのかと思ったが、美しき凶器とはこういうことか。小夜子さんには必ず幸せな人生を過ごしてもらいたい。やっぱり女性に男は勝てません。隠し事は全部見抜かれています。改めて再認識させられました。2022/02/26
ニカ
81
鬼ごっこ系ホラーサスペンス。アクション要素もあり、終始ドキドキした。頭の中で映像化しやすく、読みやすかった。タイトルも意味深で好き。2021/08/26
鍵ちゃん
79
かつて世界的に活躍した男女4人のスポーツ選手が、ある男を殺した。男は彼らの消し去らねばならない過去を知る唯一の人物だった。足のつかない犯罪を実行したはずの彼ら。しかし1人、また1人と何者かに襲われていく！迫りくるその姿は、さながら毒蜘蛛(タランチュラ）のようで！得体の知れない何かに追い詰められる恐怖を鮮烈に描かれている。まるでターミネーターだ。最後はそれより怖い身近にいる存在がより恐怖を感じる。だが、ターミネーターの本当の思いが…悲しい。全体的に躍動感があり読みやすく面白かった。2021/10/19
ワレモコウ
71
再読本。世界的に活躍したアスリート4人が、過去の黒歴史を握り潰すために、そのデータを持っている仙道を殺してしまう。その一部始終を見ていた仙道の最新作のアスリート（超人的な身体能力を持つ「女」）が、復讐のために彼らを追い、一人ずつ殺害していく。そして最後に残った人物とは？女が、目的のためなら手段を選ばず、淡々と関係ない人まで殺害していく様は、本当に怖かった。もう少し、女の感情的な部分があった方が良かったのか。それとも、敢えて表現せずにラストを生かしたかったのか。読みやすく、一気読みだった。2022/09/11
