中公新書<br> 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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中公新書
教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

  • 著者名:竹内洋【著】
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 中央公論新社(2014/01発売)
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  • ISBN:9784121017048

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内容説明

一九七〇年前後まで、教養主義はキャンパスの規範文化であった。それは、そのまま社会人になったあとまで、常識としてゆきわたっていた。人格形成や社会改良のための読書による教養主義は、なぜ学生たちを魅了したのだろうか。本書は、大正時代の旧制高校を発祥地として、その後の半世紀間、日本の大学に君臨した教養主義と教養主義者の輝ける実態と、その後の没落過程に光を当てる試みである。

目次

序章 教養主義が輝いたとき
1章 エリート学生文化のうねり
2章 五〇年代キャンパス文化と石原慎太郎
3章 帝大文学士とノルマリアン
4章 岩波書店という文化装置
5章 文化戦略と覇権
終章 アンティ・クライマックス

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

147
そもそも教養とは何ぞやということから始まってて分かりやすく、如何に教養が没落して行ったのかを如実に記していたのでよかった。2010/12/03

びす男

53
かつてあれほど学生を魅了した教養主義が、なぜかくも没落したのか。本は「教養主義」と「学歴エリート文化」の強い結びつきを示してから、巨大な「中間大衆」の出現とともにかつての魅力を失っていく「教養」の姿を描く。今日では、教養を身につけてメリットがあるのは一部の知識人に限られており、それらを目指さない「大衆サラリーマン」が教養にそっぽを向くのも道理である。単なる懐古趣味ではなく、「教養」とは何か、その没落とともに私たちは何を失いつつあるのかを公平に記述しているのが印象的だった。あとで書評かきます。2015/01/27

おさむ

43
大学生が本を読まなくなった、と言われて久しい。2003年に発刊されて話題を呼んだ本著は、その傾向は1970年代にすでに現れていたとし、かつての教養主義の衰退とパラレルの流れであったと説く。大学進学率が15%を超えて、大学に行くのがエリートと同義ではなくなったのと同時期でもある。大衆化が進んだ結果、大学はレジャーランドとなり、教養主義もキョウヨウ主義に変わり果てた。進学率が50%超えた大学は如何なる価値があり、どうあるべきかを考え直す時期に来ている気がします。2019/04/11

Kazehikanai

24
教養主義の輝きとその虚像が露わになる。読書中心主義で大衆と世間を外部化した戦前前後の教養主義は終焉し、大衆文化への同化主義であるキョウヨウ主義へ。誰もが憧れた教養の輝きの実態は、虚実をはらんだ危うい虚栄虚像。見栄と成り上がりと階級主義とその反動などがごった煮されて学生運動によって崩壊していく。今や懐かしさ、古き時代の風景でしかない。変わりゆく学生文化を照射することで、その時代の空気を感じられておもしろかった。ところで、教養とはいったい何だったのか。もはや教養が存在しえない時代なのかもしれない。2016/04/15

ネムル

21
硬派でブランド感の高い中公新書のなかでも、特に名著の誉れ高い本作、すごく面白く興味深く、また暗澹たる気持ちにもなる本だった。明治期の立身出世主義的な修養から、大正教養主義、マルクス主義を経て、戦後の教養まで一貫して、日本の教養主義がなぜ農村的な泥臭さを帯びているのか、ガリ勉的で醜いルサンチマンに満ちているのかが執拗に描かれている。人文書を楽しみつつも、そうした「自分をえらいものだと思っている」「屈折した矜持」をぐさりと指摘された気もするが、歴史的経緯を把握する意味でも大いに有意義な読書だった。2018/03/07

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