光文社文庫<br> ぞぞのむこ

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光文社文庫
ぞぞのむこ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 351p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334790707
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

部下の矢崎と漠市に入り込んでしまった翌日から、島本には次々と幸運が舞い込んできた。そんなある日、家に帰ると自宅の前に元カノののぞみが座り込んでいて―。(表題作)奇妙な町・漠市に関わってしまった人々が、ふとしたことから怪異と不条理に呑み込まれる。第一〇回小説宝石新人賞受賞作を含む、奇想あふれるホラー短編集!!

著者等紹介

井上宮[イノウエキュウ]
1961年愛知県生まれ。主婦。2016年、「ぞぞのむこ」で第10回小説宝石新人賞を受賞。’18年に受賞作を収めた『ぞぞのむこ』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アッシュ姉

103
きたー!久々ヒットのホラー短編集。おぞましくて恐ろしくて面白い。謎多き奇妙な町・漠市に踏み込んだ人々を襲う不条理ホラー。奇想に感嘆。澤村さんを彷彿させる擬音濁音の使い手、曽根さんにも通ずる理不尽さ、恒川さんの世界もあわせ持ち、独自のセンスもしっかり感じられる。なんといっても矢崎くんが最高。彼がいることにより楽しさ倍増。また会いたいので続編希望。2021/03/31

ちーたん

93
★★★☆☆初読み作家さん。「漠市には足を踏み入れちゃいけない」「何も触っちゃいけない」「家に帰る前までに石鹸で手を洗わないと…」・・え?何が起きるの〜?😱なホラー5話!①不気味な女が玄関に…『ぞそのむこ』②盗んだモノを返せずに…『じょっぷに』③漠市に存在する"トーロプ"を…『だあめんかべる』④祠の御神体に…『くれのに』⑤"アタサワ"ハザードエリアへ…『ざむざのいえ』◆不条理ホラーで癖になる面白さ!擬音センスも独特だ!最終話は気持ち悪くてウギャーッ😰あなたの町にもし猫が一匹もいなくなったら…それは…😇2020/09/04

HANA

68
漠市という奇妙な土地。そこに足を踏み入れてしまった人々を描いた連作短編集。登場人物がほぼ普通の生活を送る人々なのであるが、漠市に入ってしまった。この一点だけでこの上なく不条理な目に会うのが特徴。どちらかというと『世にも奇妙な物語』を読んだ時のような気持ちかな。グロテスクと悲惨さの中にも奇妙なユーモアを湛えているのが特徴で、これは狂言回しとして作中全てに登場する矢崎の存在が大きいか。作品としては、とことん無惨な「ざむざのいえ」が群を抜いている気がするが、皮肉なオチが光る「くれのに」もまた良し。面白かった。2020/09/16

眠る山猫屋

66
好きだなぁ、この不穏でいて何だかグニャリとした感覚。漠市という架空の町、なるべく近づかない方がいいよと囁かれる場所。矢崎という青年(何故か『坂本ですが何か』の坂本君をイメージした)を導入役に、奇妙でおぞましい事件の数々。クールで離人症的、それでいて他人を見捨てられない矢崎。冷静な彼は漠市の怪奇現象の知識だけは持っているが、対処法を知っているわけではない。警告するくらいが関の山。漠市に踏み込んでしまった人々の陰惨たる末路が“死”で終わることは少ない。“死”よりおぞましい事件の顛末の数々。続編でないかな。2021/05/24

キンモクセイ

64
漠市、むやみに入ってはいけない町。そこは禍々しく、もはや怖い場所とは呼べるレベルではない。石鹸で手を洗う家に入る前になるべく早く。これは漠市に関わってしまった人たちの話。「ぞぞ」と呼ばれる何かに触ってはいけない。「アタサワ」から何かを持ち出してはいけない。不用意に入ってはだめ。なぜかって?それは漠市だから。「ぞぞが繁殖していく...じょっぷにじょっぷに...ノニちゃん、ぜったい、離れない...返して、アハハ、返して、ざ、ざむざむ..」正気じゃいられない。おかしくなる。狂気と恐怖の狭間で気づいた時はもう遅い2020/08/20

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