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内容説明
「採寸して一定の縮尺で平面図をまとめ、ディテールを写しとってみると、その部屋を設計した意図がよく分かるばかりでなく、サービスの姿勢から民族性にいたるまでさまざまな勉強になる」。アメリカ、イタリア、イギリスから果てはブータンまで。設計者の目でとらえた世界のホテル69室。実測した平面図が新しい旅の一面を教えてくれる。
目次
旅のホテル探検
プリティ・ウーマン―ホテル・ベル・エア(アメリカ)
セザール・リッツの夢―ザ・リッツ・ロンドン(イギリス)
ビクトリアンな日々―ゲインズバラ・ホテル(イギリス)
天界の視点―グランド・ハイアット・シャンハイ(中国)
ばららむ―ザ・プラザ(アメリカ)
昔日の面影―マーク・ホプキンス(アメリカ)
足下は太平洋―リッツカールトン・ラグナ・ニグエル(アメリカ)
ヨーゼフ・ホフマンは生きている―ヴィラ・モーツァルト(イタリア)
野良行水―ケルワン・ホテル(ブータン)〔ほか〕
著者等紹介
浦一也[ウラカズヤ]
建築家・インテリアデザイナー。1947年、北海道生まれ。’70年、東京芸術大学美術学部工芸科ID卒業。’72年、同大学大学院修士課程修了。同年日健設計入社。建築設計に携わる。’94年より日建スペースデザインでインテリアデザイン業務。’99年より同社代表。2000年より東京芸術大学講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
81
世界各地のホテルへ行き、モノトーンや水彩画で各部屋が生き生きと描かれ、超高級から庶民的なホテルまでが紹介されている。印象に残ったホテル:①ホテル・リッツ・マドリードではうっかりエマージェンシーコールボタンを押してしまったが15秒くらいでフロア・アテンダントがかけつけ、激しくノックし、間違えたといっても容易に引き下がらず、さりとて礼儀を失することがなかった。②趣味がいいとは言えないが長居したくなる、いかにももの憂げな感じは「中間小説」的なウィンダム・マイアミ・ビーチ・リゾート。2022/09/16
♪みどりpiyopiyo♪
54
「採寸して一定の縮尺で平面図をまとめ、ディテールを写しとってみると、設計した意図がよく分かるばかりでなく、サービスの姿勢から民族性にいたるまで様々な勉強になる」 ■この本、むちゃむちゃ面白いの♪ 大好きすぎてずっと読んでるから、感想を書くのを忘れてました! ■建築家である著者が、メジャー片手に 泊まったホテルの部屋の絵を描き続けた記録です。ホテルを手がける建築家って、こういうところを見てるのね。実測した平面図から各地のホテル事情が窺えて、間取り図好きには堪らん1冊です ( ' ᵕ ' ) (2001年)2019/12/30
ぶんこ
51
旅が好きでホテルが好きなので楽しみにしていたのですが、俯瞰図のような間取り絵がイマイチ頭の中の空想場面に入ってこないのです。他の本の合間に時間をかけて読みましたが、最後までイマイチ。妹尾河童さんの「河童が覗いた」シリーズのファンでしたが、河童シリーズよりは色付きが少なか ったり、イラストが小さいのもあるかもしれません。老眼鏡になっている事、横文字の多さも語学オンチには引く要素かと年をとった自分の許容量の小ささ所以でしょう。2016/09/23
shikashika555
49
楽しい。 世界各国のホテルの部屋が手描きの見取り図と共に説明されている。 元々は企業誌の連載であったそうで、なるほどと思わされる微に入り細を穿つこだわりのオンパレード。 部屋の様子やサービスのクオリティの記述、滞在中の街や飲食店の説明からまだ日本が豊かさのなかにあった頃の華やぎや明るさも感じることができて、ちょっとしたタイムスリップ感。 何より手描きの絵がすばらしい。 水彩の旅先スケッチを見るのが大好きな人にはハマるのではないか。 妹尾河童のホテルやトイレのイラストとは全く違う角度の正確さと情緒です。2022/02/16
愛玉子
47
偶然にも間取り本が続きます。表紙からは妹尾河童氏のシリーズを連想しますが、文字までオール手書きの温もりある河童作品と比べると、こちらはさすがヨコハマグランドインターコンチネンタルを手がけた建築家というべきか、イラストは都会的でスタイリッシュ、映画でしか知らないセレブ御用達の五つ星ホテルが次々と登場。基本ホテルのレターペーパーに描くというのも趣きがあってお洒落。ひたすら手を動かして測り、描く。それは訓練であり時に悪癖であると言いつつ(新婚旅行で奥様にメジャーの端を持たせたとか)何より楽しそうなのが素敵です。2021/07/25