内容説明
親友が屋上から落ちて、死んだ。自殺と思えない「俺」は当時の様子を探り始めるが…。(「小さな故意の物語」)直美は死ぬ直前にビデオメッセージを残した。その理由とは…。(「さよならコーチ」)岸田家の中で殺人が起きた。しかしそこには、死体もなければ犯人もいない…?(表題作)渦巻く人間の欲望を描いた全七編を収録。エンタメの頂点を極めた著者が贈る、珠玉の短編集!
著者等紹介
東野圭吾[ヒガシノケイゴ]
1958年大阪生まれ。大阪府立大学電気工学科卒。エンジニアとして勤務しながら、’85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞受賞。’99年『秘密』で第52回日本推理作家協会賞受賞。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、’12年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で第7回中央公論文芸賞、’13年『夢幻花』で第26回柴田錬三郎賞、’14年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞、’19年第1回野間出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ノンケ女医長
114
中学3年生の、荻原信二。すぐ下に生後3か月の弟がいる。早朝の自宅で突然、弟がこの世を去った。信二は丁寧な口調で女性担任に電話し「今日休みます」と報告している。これだけ年の離れた兄弟だと、両親はどうなっているのか、思案しながら読んだ。もう悪魔としか表現できない義母だった。その動物性と鬼畜性から生まれてしまった命。最後に結ぶ「息子と弟を同時に殺したということまでは、刑事も知らなかった…」 (120頁) を読み、今後さらに荒れ狂うはずの家庭がどのように変貌していくのか、とても続きを知りたい (闇の中の二人)。2023/01/12
ガチャ
106
7つの短編集! そんな理由で死んでしまったのかと言う数々。 何故そこで殺人に結びつけるのか。 それでもタダでは死なないぞ、日本の警察は優秀なのだ。スッキリはしないけど、さらっと読むのには 丁度いいかもしれないですね。 2020/11/30
KAZOO
105
東野さんの30年以上前に発表されたものですが、こんなにレベルが高い短篇集があるとは知りませんでした。7つの短編ですがどれもさらっと読めてしまうのですが非常に情緒や味わいがあって印象に残る気がしました。とくに「踊り子」は印象に残る作品です。そのほか「さよならコーチ」もやるせなさという感じを受けました。2022/06/13
あっか
99
30年近く前の短編集の新装版です。どれもこれも悲しい事情を含んだ死が描かれます。最終話の表題作は現在と過去を同時に描きながら全貌が明らかになっていく構成が見事で、途中で「えっ!!」と思わず声が出ました。いやでもこれ、絶対見破れません。笑 読み返したけど結局よく理解しきれなかった^^;悲しい話だけど印象に残ったのは『踊り子』。2020/10/09
三代目けんこと
78
表題作に一票!2021/09/25