光文社文庫<br> ミステリー作家の休日

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光文社文庫
ミステリー作家の休日

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  • サイズ 文庫判/ページ数 371p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334779054
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

ある冬の日曜日、推理作家・泉川ミカ江女史の許にかかって来た殺害予告の脅迫電話。誰の仕業か判らず仕事も手につかない。だが、恐怖と憤りを酒に紛らすうちに職業的好奇心が芽生え、女史は脅迫者についての考察を始めた…。純粋推理を実践した表題作のほか、古き良きパリの街を舞台にした中編など、ミステリーの粋を凝らした傑作全八編、すべてが文庫初収録!

著者等紹介

小泉喜美子[コイズミキミコ]
1934年東京築地生まれ。都立三田高校卒業後、英字新聞ジャパンタイムズ社に勤務。’59年「我が盲目の君(のちに「夜のジャスミン」と改題)」がエラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン誌の第一回短編コンテストに入選。’63年に長編第一作の『弁護側の証人』(文藝春秋)を発表。その後、10年のブランクを経て、’73年に『ダイナマイト円舞曲』(光文社カッパ・ノベルス)で文壇にカムバックする。歯切れの良い文体で、小説同様、評論、エッセイも数多い。翻訳者としても著名。’85年に51歳で急逝したが、その作品は近年リバイバルされ、新たなファンを拡げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

64
ミステリ短編集。探偵が捜査し犯人を見つける。という定型からは外れたストーリーだが、何となく人生の一断面を切り取ったような、提示されるのは人生の謎といった趣の作品ばかり。リドルストーリーっぽい「ミステリー作家の休日」も「本格的にミステリー」もどことなくもやもやした物を残す極上の読み心地だけど、傑作は何といっても「あじさいの咲く料理店」。アレを暗示させる食事の描写もさることながら、警察の捜査がアレを知ったうえであそこだけを掘ったと予想すると怖い、とても怖い。こういう形のミステリ久しぶりで面白く読めました。2020/07/09

ばう

52
★★★昭和のミステリ短編集。以前読んだ『弁護側の証人』が割と面白かったので読んでみました。登場人物達の口調に昭和を感じるけれど、特に違和感なく物語に入り込めました。可愛らしい話からミステリーらしくゾワゾワする話までそれぞれ異なるタイプの話で最後まで「次はどんな話?」と飽きずに読めました(私が昭和の女だからか?)。『本格的にミステリー』『あじさいの咲く料理店』が面白かった。

geshi

29
日常から少し浮いた空気が魅力であり、こういうモダンがあった時代のミステリ。『ミステリー作家の休日』ケメルマンのように見せて純粋推理をするという状況そのものを推理の俎上にするか。『昼下がりの童貞』西洋館の異世界感と少しのノスタルジーが良い味付け。『本格的にミステリーを』三人の女性の表に見えるのとは違ったドロドロな思いがTHE女のミステリ。オチを匂わせるだけなのがおしゃれ。『パリの扉』パリのきらびやかさに陶然とひたりつつ最後には「やはり異国だ」と示してしまう寂しさ。2019/11/14

タカギ

26
小泉女史の作品には華がある。「東京」をこんなに感じる作家は他にいない。東京以外の場所が舞台の話も結構あるのに、不思議だなあ。8編の短編集。オチはブラックなものが多い気がする。私はほとんど下戸なので読書のお供はコーヒーですが、文中のウィスキーのソーダ割りを飲みながら読めたらな、と思いました。2019/10/05

かおりっくま

16
今となれば資料的興味の本だが、クスリ、と笑えるエスプリがさすがの小泉喜美子さんである2019/10/25

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