出版社内容情報
戸部新十郎[トベ シンジュウロウ]
著・文・その他
内容説明
金沢に五代藩主、前田綱利公の初のお国入りが決まり、兵法御覧の差配を担った富田重持は、加賀に古来より伝わる“深甚流”の剣を披露することにした。だが、この流派を継ぐと称する男は邪剣の遣い手であった。重持は深甚流のひそかな伝承者とされる老いた百姓を探し出し、邪剣の士と対決させるが…。(「水鏡」より)。剣豪小説の白眉と讃えられる珠玉の十編収録。
著者等紹介
戸部新十郎[トベシンジュウロウ]
1926年石川県生まれ。早稲田大学政経学部中退。北國新聞社を経て、文筆活動へ入る。2003年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんぶん
18
【図書館】何げなく借りて来た本に凄い小説があった。 いわゆる剣豪小説なのだが、その剣豪の生き様が凄い。 富田勢源、小野善鬼、伊東一刀斎、佐々木小次郎、柳生十兵衛、深尾角馬、桃井春蔵らの十人の剣豪の技を極める為求道する姿を描く。 単なる勝ち負けではなく、そこに行き着くまでが大事と説いている。「兵法とは応酬なり」結局人生においても人とのやり取りが大事と言う。 その姿は神々しい、そこに行き着くまでの姿が大事であるという教えかと思う。 迫力ある剣戟シーンだけでも見る価値がある、戸部新十郎の一端を見た感じでもある。2020/02/09
lastsamurai
0
日経新聞夕刊の書籍紹介コーナーで知ったのですが、今までにない時代小説で、深く兵法を追求する内容で構成されていました。早速戸部新十郎氏の書籍を読みあさり始めましたが、書店にもネットにもあまり在庫がありません><” 時代小説ファンは必見だと思います。2018/06/27
Steppenwolf
0
E本文庫の解説をされている細谷氏の本で本書のことを知り読みたいと思った矢先に復刊されて読めた。戦国から幕末まで生きた剣豪のエピソードを描くこの作品は,初出時期を見ると私が著者の五三の桐を読んで低評価した時代と重なっている。ヒョッとしたら著者は短編を得意としているのかもしれない。後味の悪いものもなくはないが剣豪に限らず人生とはうまくいくこともあるし悪いこともある。この短編をまとめるような感想を私には書けないので剣豪小説を好まれる方は是非読んでもらいたいと思う次第である。2018/06/21
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