出版社内容情報
矢背家への襲撃が激化する。はたして、その黒幕は? そして、ラストに慟哭の一幕が!シリーズを支えてきた主要人物が死す!
内容説明
将軍家慶の側に仕える御小姓頭取が乱心した。事件の責任をとって、小姓を束ねる立場の御小姓組番頭・橘右近は逼塞処分に。将軍の毒味役を務める矢背蔵人介は、この乱心が、橘を陥れる策謀だと見抜き、背後の敵を探り始めた。しかし、橘と蔵人介は命を狙われ、矢背家にも討手が向かう。そして、橘は、幕閣の糾弾に命をかけた訴えに出たが―。滂沱の第二十三弾。文庫書下ろし長編時代小説。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。時代小説を描く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
102
鬼役「寵臣」23巻。矢背家と土田家の関連が明らかに、ここに来て痩せ男が出没絡んできますね、しかも御小姓組番頭の橘右近さんがまさかの自害を、鬼役の裏の顔密命を下すのは誰なのか、次巻待ち遠しですね。2018/04/06
KAZOO
89
今回も活躍してくれます。ただまた鬼役の相方がいなくなってしまいます(悪い人物で主人公に切られます)。また「痩せ男」が姿を現さないものの徐々に人物像が浮かび上がってく量な感じです。この最後の話では、主人公に裏の指図を出していた小姓頭が、水野・鳥居の陰謀にあったような感じで切腹します。主人公の育ての親がなくなった時と同様、かなりショックです。今後も続いるのを考えると誰かが指図を出すのでしょうね。2024/08/25
えみ
48
続編が出ているのは知っている。知っているけれどその上で一度言わせてほしい。…最終巻じゃないよね?…まさかここでこんなことになろうとは。いつかその日が来るだろうと思っていたが、さすがにここだとは読み切れなかった。呆気ないような、卒ない感じが「らしい」といえばらしい。表の顔は将軍家毒味役、裏の顔は幕臣の不正を断つ暗殺役として矢背蔵人介が活躍する鬼役シリーズ第23弾。シリーズもここまでくれば、お馴染みの登場人物達に様々な思いを抱く。出会いがあれば別れあり、裏切りにあえば思いもよらないところからの手助けもあった。2024/07/15
ベルるるる
25
最近の鬼役シリーズの中ではダントツに面白かった。一気読み。泣ける友の死や職場の知り合いの娘婿のエピソード。そして橘右近が語る八背家の謎。伝右衛門の家の謎。橘家が家康に与えられた密命。色々な謎が明かされながら、無念にも橘右近は切腹して果てる。これから蔵人介はどうなるのか。続きが待ち遠しい。2018/04/24
さく
19
橘が死んだ。蔵人介が父とも慕う、また、鬼にもなる、志乃とも深く通い合う後ろ盾。矢背家の歴史や背負う業をよく理解して、陰日向に心強い重臣。蔵人介の真の戦いが始まる。目が離せない展開になった。涙と佐太夫が幸せになれる、生き直すことができる優しさが嬉しい。2021/11/05