出版社内容情報
矢背家への襲撃が激化する。はたして、その黒幕は? そして、ラストに慟哭の一幕が!シリーズを支えてきた主要人物が死す!
内容説明
将軍家慶の側に仕える御小姓頭取が乱心した。事件の責任をとって、小姓を束ねる立場の御小姓組番頭・橘右近は逼塞処分に。将軍の毒味役を務める矢背蔵人介は、この乱心が、橘を陥れる策謀だと見抜き、背後の敵を探り始めた。しかし、橘と蔵人介は命を狙われ、矢背家にも討手が向かう。そして、橘は、幕閣の糾弾に命をかけた訴えに出たが―。滂沱の第二十三弾。文庫書下ろし長編時代小説。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。時代小説を描く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
101
鬼役「寵臣」23巻。矢背家と土田家の関連が明らかに、ここに来て痩せ男が出没絡んできますね、しかも御小姓組番頭の橘右近さんがまさかの自害を、鬼役の裏の顔密命を下すのは誰なのか、次巻待ち遠しですね。2018/04/06
ベルるるる
24
最近の鬼役シリーズの中ではダントツに面白かった。一気読み。泣ける友の死や職場の知り合いの娘婿のエピソード。そして橘右近が語る八背家の謎。伝右衛門の家の謎。橘家が家康に与えられた密命。色々な謎が明かされながら、無念にも橘右近は切腹して果てる。これから蔵人介はどうなるのか。続きが待ち遠しい。2018/04/24
さく
18
橘が死んだ。蔵人介が父とも慕う、また、鬼にもなる、志乃とも深く通い合う後ろ盾。矢背家の歴史や背負う業をよく理解して、陰日向に心強い重臣。蔵人介の真の戦いが始まる。目が離せない展開になった。涙と佐太夫が幸せになれる、生き直すことができる優しさが嬉しい。2021/11/05
ぶんぶん
17
【図書館】鬼役シリーズ・第二十三弾! 以外、重要人物が死んでしまった。 話の核にも当たる人物、終局なのか、方向展開なのか・・・ 確かに、密命そのものに必要性が疑問のケースもあるようになって来た。 究極の悪という書かれ方が無い。 世間のしがらみに流された悪の存在が取り上げられている感が強い。 シリーズが長いが、テンポの無さに着いて行けない。 風景描写を入れるタイミングとか、方向転換する説明文とか、ストーリーがブチブチ切れてしまってすんなり読めない。一貫性のある文章を読みたい、話自体は面白いのに、そこが残念。2018/04/17
ひさか
9
2017年12月光文社時代小説文庫刊。シリーズ23作目。3つの連作短編。八瀬家と宿敵痩せ男との関係を謎として次巻へ持ち越し。次巻が、待ち遠しい。大きく話が動き、読むのに、自然と力が入りました。2018/02/28