出版社内容情報
芭蕉の一番弟子と謳われながら、一門に馴染めない俳諧師・其角と、豪放磊落な絵師・多賀朝湖が活躍する。
内容説明
松尾芭蕉の一番弟子ながら、一門に馴染めない俳諧師・宝井其角と、豪放磊落な絵師・多賀朝湖(後の英一蝶)。二人は不思議と馬が合った。ある夜、吉原で、彼らは二人の太夫に呼び出される。屏風に描かれた犬が動き、それを見た遊女が次々と姿を消したという。謎解きを頼まれた二人は女たちを救うべく奔走するが…。江戸の人々の生き様、哀切を描く傑作時代小説!
著者等紹介
田牧大和[タマキヤマト]
1966年東京都生まれ。2007年「色には出でじ風に牽牛」(『花合せ 濱次お役者双六』に改題)で第2回小説現代長編新人賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
60
其角と暁雲、互いに気心の知れた粋人二人…その絶妙なやり取りに興が乗って、いつの間にか本筋の屏風に描かれた犬が動く謎と、それに関連して起こる吉原の遊女の神隠しという事件も二の次に、其角の語る二人の物語に惹かれていった。動く犬の絵、神隠しの謎も、ある意味力技では或るものの見事に解かれて、さあこれはシリーズものに打ってつけと思っていた終盤に、まさかの…その主人公たちの行く末にしんみりとして、人の世の儚さに今更ながらに思いを寄せてしまった。2017/12/07
緋莢
13
本の雑誌編集部 編『おすすめ文庫王国2019』で紹介されていて、興味を惹かれて、手に取りました。松尾芭蕉の一番弟子である俳諧師の宝井其角。芭蕉を頂とする一門の句と、自分の詠みたい句に違いがある事に苦悩し、居場所を見つけられず苦悩する最中、多賀朝湖(後の英一蝶)という絵師と出会い、惹かれて、親交を持つようになります(続く2019/07/06
いぼいのしし
10
ミステリー。其角と暁雲がいいコンビ。切ないお話だった。2018/06/30
トラジ
4
芭蕉の一番弟子其角と絵師の一蝶が吉原で起きた失踪事件の謎を解いていく。屏風絵に描かれた犬が動くところを見た遊女が次々と姿を消す。感と洞察力で核心に迫っていく展開に違和感はあるが悪くはない。後日談が物悲しい。2017/12/08
きよみオレンジ
3
暁雲がホームズで其角がワトソン・・・か?其角の人生が終わる時、暁雲が側にいたら・・と思う。英一蝶の名前の由来が素敵。2022/02/09




