内容説明
名代の十手持ち辰三が姿を消したのは昨年暮れ。上方の悪党「名なしの幻造」を追ったまま行方がしれない。縄張りの日本橋をあずかる子分の文治だが、切れ者の親分と比べると頼りにならない。辰三の娘お加代が、御用の向きにも口を挟んでくる。心根の優しい大男と跳ねっ返り娘が智恵を寄せ合い、御用の謎を解き明かす。時代小説の新鋭が情感豊かに描く、傑作捕物帖。
著者等紹介
中島要[ナカジマカナメ]
早稲田大学教育学部卒。2008年、「素見」で第2回小説宝石新人賞を受賞。’10年、『刀圭』で単行本デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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時代小説大好き本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
84
六尺文治捕物控「晦日の月」1巻。悪党を追って行方不明の辰三親分の留守を預かる大男の文治と、気が強い辰三の娘加代が捕物に挑む。何かと頼りなさげな文治さん後半はしっかりしてきたかな、次巻どんな展開になるのか楽しみですね。 2020/03/25
ちえ
43
アンソロジー「なぞとき」から繋がって読んだ。一冊読んで気になったのはお加代がちょっと…一編ならいいけれど、ずっと読んでいると(もういっぱい)っていう気感じになってくる。おかみさんが大人なだけに鼻についてしまう。文治の親分への素直な気持ちや思いが はなしが進んでいくうちに徐々に変化していくところがなるほどと感じた。軽く読める本を読みたかったのでそれにはぴったりだった。2020/05/17
カピバラ
28
中島さんの時代小説は、やはりいいなぁとしみじみ。お加代ちゃんの威勢の良さが好きです。文治の一生懸命さも素敵です。辰三親分の行方が気になります。2015/02/11
ドナルド@灯れ松明の火
23
刀圭・ひやかしを読み、新人だからしばらくは寡作かなとちょっと目を離していたら中島さん結構作品を出されていた。とりあえずシリーズ物っぽい六尺文治を手に取った。プロットが興味深い。自分を拾ってくれた辰三親分が行方不明となり親分に恩を感じ心酔する文治は未だ半人前の岡っ引き。辰三の娘お加代とのやりとりも面白い。次作への謎かけがとても気になる。2015/02/25
wanichan
21
雲隠れした親分を待ちつつ、岡っ引き稼業をする文治と、親分の娘の気の強い加代のコンビが事件を追う。なかなか親分の行方にまでたどり着かないが、なかなか読み進めやすいストーリーでした。2019/06/07
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