内容説明
旧天城峠の崖下で老人男性の死体が発見される。彼は何故か「下司」と書かれた千社札を携え社寺巡りをしていたという。事件に巻き込まれた浅見光彦が捜査を始めた直後、かつてインタビューして意気投合したアイドル・桜井夕紀が心中!老人の不可解な社寺巡りの道程を探る光彦は、やがて二つの事件の意外な接点に気付く。伊豆の手鞠歌が暗示する恐るべきトリックとは!?―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
44
〔再読〕浅見光彦シリーズ七作品目です。旧天城トンネル付近の崖下で、自社巡りをしていた小林という男が死体で発見されます。娘の朝美は、父の歩いた道を辿ろうと修善寺にきて男に声をかけられます。なんと浅見光彦でした。朝美から事件を聞いた光彦が調べてみると、おかしな処が多い事件と解ります。更に別の心中事件が起こり、小林の千社札が見つかった事で、二つの事件が結び付いてきます。川端康成氏の『伊豆の踊り子』の舞台として有名な天城峠の旅情の素晴らしさ、伊豆の手鞠歌になぞらえた殺人トリックと、本格の謎解きを味わえる作品です。2014/11/07
coco夏ko10角
19
浅見光彦シリーズ。社寺巡りをしていた男性の遺体が旧天城峠の崖下で発見され…。桜井夕紀の電話で話せていたら…。小林の「下司」の千社札は目立つな。途中の兄・陽一郎との場面が特に印象的。性格いいし頭いいし頼れるし…完璧すぎて確かに弟は大変だな。真相分かってるのに黙っていて事件の全容を解明するのは警察や保険会社の仕事、これが浅見光彦のスタンスなんだな。小林朝美のためにはっきりしてあげてもよかったような。2023/11/12
yummyrin
10
推理ドラマの王道。断崖絶壁での犯人の種明し。伏線も複雑てないから読みやすい。2016/07/10
まさのり
6
静岡天城峠、岩手大船渡を舞台にした浅見光彦ミステリー。比較的あっさりしており2時間で読了。自分の拙い推理力でも珍しく途中で全体像が把握できた作品。2023/11/14
ポインター
3
浅見光彦にはめずらしく、調査・推理だけでなく犯人を誘導している。2つの事件を結ぶ子守唄。なかなか強引に感じますが、浅見光彦なら気になりません。古いほうの文庫で読もうかとも思いましたが、浅見光彦日本列島縦断シリーズにあったので、こちらで読みました。ラストの犯人の自殺。もっとはっきり警察のほうでも解決してほしかったな。2012/10/13