内容説明
―イタリア全土、イギリス、フランス、スペイン、北アフリカから小アジア地域まで版図を拡大したさしものローマ帝国も、ライン河を渡ることには難儀した。そのゲルマニア(ドイツ)で隠然たる影響力をもつ女祭司に恭順をすすめる、という途方もない任務がファルコに与えられた!愛するヘレナと暮らすにゃ金がいる、やってやろうじゃないか…。―虚実織りまぜたデイヴィス版古代ローマ史、飛躍の第4弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
湖都
13
シリーズ4作目の舞台はゲルマニア。塩野七生さんの『ローマ人の物語』該当部分を読んでおくと一層興味深く読めること間違いなし。私は何年も前に読んだだけだけど、意外と記憶に残ってて「あーそんな反乱あったわー」と歴史とファルコが珍しく繋がりました。展開は結構お約束。アンパンマンみたいなシリーズだ。相変わらず登場人物がぐちゃぐちゃしてくるのは馴染み薄いローマ人の名前のせいなのか、ストーリー展開のせいなのか、シリーズ4作目でもまだ判別できない。2018/08/20
鐵太郎
10
「ゲルマニアなんか、ぜったいに行かない!」おれがそう言うと、すぐさまヘレナ・ユスティナが頭をめぐらせはじめたのがわかった ─ 荷物に何を詰めようか、と。 いつものシニカルなきわどい会話が飛びかい、スリリングな陰謀が展開します。終わってみれば、なんともしまらない陰謀でしたが。とはいえ、この巻はミステリとは言えませんね。ミステリについては、次回に期待ですね。2007/04/28
金監禾重
4
今巻はファルコの言動が特によろしくない。序盤で無用な意地を張ってヘレナが失踪。皇帝から危険すぎる任務を受ける(これは断れないか)。疲弊して判断力を失ったのか、孤立した状況で軍団長の不正を糾弾。まずは生還しないと…シリーズは続くのでファルコが生還するのはわかっていたが、歴史背景を見事に物語に取り込んだ緊迫感を楽しめた。2025/03/17
ゲオルギオ・ハーン
3
古代ローマのヴェスパシアヌス帝時代を舞台にした珍しい小説。シリーズ4作目だそうですが、いきなり本作から読んでもストーリー的に置いてきぼりにはなりません。但し、歴史的出来事と密接に絡めてストーリーを設計しているので古代ローマ史が詳しいか、訳者あとがきで時代の概要を知っておかないとろくに読み進めることは出来ません。登場人物の多さ、主人公ファルコがひねくれ者ということもあり難易度は高めかも。ファルコみたいなアウトローなキャラクターは好きです。2019/11/04
中島直人
3
(図書館)読了2019/08/15