出版社内容情報
ラフカディオ・ハーン[ハーン ラフカディオ]
著・文・その他
南條竹則[ナンジヨウ タケノリ]
翻訳
内容説明
「耳なし芳一の話」「むじな」「ろくろ首」「雪女」…。日本をこよなく愛したハーンが、古来の文献や伝承をもとに流麗な文章で創作した怪奇短篇集。日本の文化、伝統、習慣を世界に紹介し、いまや「日本文学の古典」とも言えるハーンの代表作。昆虫エッセイ「虫の研究」も収録。
著者等紹介
ハーン,ラフカディオ[ハーン,ラフカディオ] [Hearn,Lafcadio]
1850‐1904。作家。ギリシア生まれでイギリス育ち。アメリカに渡って新聞・雑誌の記者として働く。ピエール・ロティの作品から日本への関心を持つようになり1890年来日。島根県の松江に英語教師として赴任。その後東京帝国大学の講師として英語を教える傍ら、日本文化についての数々のエッセイ、小説を著す。1896年帰化、日本名は小泉八雲
南條竹則[ナンジョウタケノリ]
東京生まれ。小説『酒仙』で第5回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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buchipanda3
90
小泉八雲ことラフカディオ・ハーンによる怪奇文学集。「怪談」と「虫の研究」の2部構成。いわゆる不気味な話の「怪談」の方は「耳無芳一の話」「雪女」など著名な話を含めて17篇。中には掌編の短さで、えっもう終わりなのという感じのもある。大体が地方伝承の民話のような感じで、怖いというよりも不思議な現象に畏怖の念を持たせる内容でなかなか印象深いのがある。「ろくろ首」はそういう話だったのかと物語としても結構な面白さ。他には「かけひき」も唸らされる。桜にまつわる2篇は共に命に関わる話で何かしら謂れがあるのかもと思った。2019/07/30
sin
78
昔から知る「雪女」や「耳なし芳一」あるいは「むじな」等、覚えているストーリーの内にある忘れていた表現に思い浮かぶ情景に、日本と云う国の消え失せた詩情が垣間見えるようだ。それは情緒的な日本人の語り口を希臘人の論理的思考で語り直し、またそれを翻訳し直すと云う行為が、まるで濾紙を通したように夾雑物を取り除いた文章のシンプルさに却って深く詩情を感じるのだろうか?それとも歳月を経て老年に足を踏み入れた己れの感性が、この国に魅了された異国の魂にシンクロしているのだろうか!まさしく和洋折衷の物語と感じた。2020/08/30
巨峰
69
小泉八雲は中坊の頃松江に家族旅行にいったとき初めて知った。あの有名な話はここが原点だったのかという驚きがあった。2019/05/29
樋口佳之
48
unlimitedにて。やっぱり「耳なし芳一」が飛び抜けて良いと思いましたが、源平の合戦、平家物語を知らない外国の方にはどうだったのだろう。2022/09/02
kazi
44
小泉八雲こと、ラフカディオ・ハーン氏が日本各地に伝わる伝説、幽霊話などを再話した「怪談」です。流石に読ませますね!個人的にはやはり「耳なし芳一」がクオリティーの高さという点で群を抜いていると感じましたが・・、どうでしょ?そのほか、旅の僧が宿を求めて迷い込んだ山中の館にて怪異と出会う「ろくろ首」とか、美しい妻が実は妖異であったという「雪女」なんかも好きな話です。生前の功徳や罪業によって“輪廻転生”する話が多く、非常に日本的な物語だと感じたが、その点ラフカディオ・ハーン氏はどのように受け取ったのだろうか?2021/06/07
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