内容説明
片手を失い、自分の本名すら知らない孤児の少年「そばかす」は、「リンバロストの森」で木材泥棒から森を守る番人として働くことになる。大人でさえ恐怖をいだく森と沼地。孤独と恐怖、厳しい自然と闘いながら、人の愛情に包まれて、「そばかす」は逞しく成長していく…。
著者等紹介
ストラトン・ポーター,ジーン[ストラトンポーター,ジーン][Stratton‐Porter,Gene]
1863‐1924。アメリカの小説家、ナチュラリスト。インディアナ州の農場で十二人兄弟の末っ子として生まれる。1886年、薬剤師であったチャールズと結婚し、リンバロストの沼地がある同州ジュニーヴァに移り住む。ここを拠点に鳥類などの写真を撮り、コラムを雑誌に掲載するようになる。1903年に出版したネイチャーブックに続き1904年、最初の小説『そばかすの少年』を刊行。200万部を超える大ベストセラーに。1909年に刊行した姉妹編『リンバロストの乙女』も同様に大ヒットとなる
鹿田昌美[シカタマサミ]
1970年生まれ。国際基督教大学卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
32
初めて読む作家です。しかも女性の作家なのですね。読んでいるとマークトウェインのハックルベリなどを思い出してしまいました。自然環境などをうまく描いてくれています。これも一つの成長小説なのでしょう。小さい時に読むと非常にいいのかもしれません。2014/11/07
ごへいもち
26
「リンバロストの少女」の続編のように感じていたが、こちらの方が先だったのね。非現実的で少女趣味かもしれないが面白く読んだ2015/01/24
コジ
25
★★★☆☆ 孤児で体にハンデもある「そばかす」少年。自身も人格者なら出会った人々もまた人格者。いかにもアメリカの啓蒙的小説。終始徹底的に前向きだった「そばかす」が最後の三章で急にネガティブ思考になったのに違和感を感じたが、解説によるとこの三章は後から書き足したものと知る。この展開には納得はできないが違和感は解消。トントン拍子に事が進む話の流れと仰々しいセリフは人によっては受け入れられないかもしないが、ここまで直球勝負なら逆に清々しく読めるというもの。2018/04/05
kagetrasama-aoi(葵・橘)
18
再読。読友さんの「リンバロストの乙女」のレビュー読んで、読み返したくなりました。暑苦しい時期に爽やかな感動を得られました。2019/08/16
北風
14
孤児と言うだけで、その生い立ちが想像できるわけだが、少年の気高さ優しさが人々を惹きつけて止まない。だが、特筆すべきは彼が愛するエンジェルという少女。彼女の行動力と勇気には感銘を受ける。お嬢様故に怖いもの知らずで我が儘なのに、誰もがそれを許し、彼女の命令には逆らえない。その行動力が、愛するそばかすの少年を生死の境目から救い出すのは、感動。しかし、家なき子やあしながおじさんに比べても、さらに話がうますぎて、孤児主人公特有の苦さが足りなかったかと思う。元はバッドエンドだったみたいだから、これはこれでよしか。2017/01/03