内容説明
笑い上戸で泣き上戸の営業マン・陽介の勤め先は葬儀会社だ。出産直前で入院した妻がいるがライバル社を出し抜いた葬儀があり、なかなか病院にも行けない。生まれてくる子どもの顔を葬儀の最中に思い浮かべ、笑顔が出そうになって慌てる。無事仕事を終え、病院に向かう陽介にまた厄介な案件が…(表題作)。―人生の悲喜こもごもをユーモラスに描く傑作短編集。
著者等紹介
荻原浩[オギワラヒロシ]
1956年埼玉県生まれ。’97年「オロロ畑でつかまえて」で小説すばる新人賞を受賞。2005年には『明日の記憶』で山本周五郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
193
荻原さんお得意の人情+仕事のヒューマンコメディの短編が7つ…どれを読んでもニヤニヤさせられたりウンウンと頷いたりで、描かれているシーンが目に浮かぶ…本作の中に頑固な寿司屋の話もあるが、正にその主人公みたいに光り物も玉子もシッカリと仕事がなされたネタを握った寿司、を食べているようで「ユーモア短編名人芸」と言える域だと思った。その中でも、檀家の少ない僧侶を主人公にした『長福寺のメリークリスマス』は切なく可笑しかったし、笑い上戸の葬儀屋を主人公にした表題作は笑いながら少しホロッとさせられ幸せな気持ちになった。2018/09/28
馨
147
短編集。読みやすいし安定の面白さで1日1作品ずつ読んでいましたが止まらなくなって一気に読了。荻原さんの作品は色々な職種の方々の裏の裏まで知れてためになるしたまに憧れていた仕事内容等があっけなく現実的でむごいものであるのを思い知らされますが勉強になる部分も多いです。『ビューティフルライフ』『スーパーマンの憂鬱』『寿し辰のいちばん長い日』が印象的でした。2018/02/16
ehirano1
142
「寿し辰の一番長い日」で秋刀魚の塩焼きを握ったお寿司が脳裏を離れません。2019/06/15
ちょこまーぶる
136
久々の作家さんの作品で面白かった一冊でした。短編集なんですが、どの編でもそれぞれの主人公の本音が描かれていて、その本音が本当に笑えてしまうような表現で、しかも的を得ていて読んでいて妙に納得していました。7編すべてが長編作品にしてもそれぞれが成立するんじゃないかとも思えますが、短編だからこそギュっと集約されていて楽しめましたね。しかも、7編の中でどれが一番といわれても、なかなか選ぶのは難しいと思うほどそれぞれに面白みがありましたね。ストレスが溜まっている時に、クスクスと笑いたいと思ったら最適な一冊です。2016/06/15
相田うえお
108
★★★★☆21027【さよなら、そしてこんにちは (荻原 浩さん)】仕事ネタ短編集①葬儀屋②農業③スーパー④主婦⑤寿司屋⑥料理研究家⑦坊さん。どれも面白い作品でした。◯夜露死苦!愛羅武勇〜うまい具合に漢字を選んだものですね。◯田舎だと携帯は繋がる場所に自分が移動して使うらしいけど、都会でもまだまだ5Gは場所指定だね◯鮮やかな色の食品は綺麗だけど着色剤怪しい〜◯仮面ライダーに抜擢された男優さんは何故か大物になる◯食いもの屋、頑固オヤジの比率が高い◯料理番組って時間縛りきつそう〜◯坊さんってクリスマスやるの?2021/03/24