内容説明
担当する事件の女性被告人に刺殺された五八歳の裁判官。裁判所と官舎を黒塗りの車で往復するだけの閉ざされた生活の中で、一度だけ裁判所の方針に逆らって良心に従おうとした彼だったが…。十二人の女性に出し続けた七九通のラブレターの中で見せる赤裸々な本性とその無残な結末。「ほとんどのエピソードは実在で脇役にも多くのモデルがある」という裁判官の実態とは。
著者等紹介
朔立木[サクタツキ]
現役の法律家。2001年、裁判官の知られざる真の姿を描いた『お眠り私の魂』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てんしのらっぱ
2
リアルな裁判の話の中にも愛のある朔立木さんの本だから読んだけどこれは気持ち悪い男の独りよがりな話だった。しかしこの本に出てくる女の人はみんな心が広いな。裁判官や裁判所のつまんない見栄や息苦しさを描いた作品としては評価できるかな。2012/06/19
長岡紅蓮
2
裁判所って、閉鎖された環境だったということをはじめて知った。そんな人が人を裁くことのおかしさを感じた。2009/04/10
mare
1
うわあもう気持ち悪いという感じが最早はやめから(笑)…内容も勿論、手紙の日付の感覚にもひゃー。あとがきではそういうのを抑える意味で相手からの返事などなしにしたとかいてたが余計際立っていた。裁判官や裁判所などの業界は興味深かった!2015/07/30
Qoo
1
人間だもの・・・ってお決まりの言葉が浮かんでくる一冊。実際の事件などがモチーフということで、週刊誌的に読めばいったい日本の法曹界はどうなっているんだと不安になりますが、小説としてはとても丁寧で上手いなぁと。 やっぱり法律を扱う人は、日本語が上手いのでしょうか。2012/07/29
misuke
0
女好きの中年裁判官の話。昭和60年頃の話なので、今とは大分実情が異なる。筆者は現役法律家とのことだが、不遇な元裁判官か、あるいは内部情報を見聞きした弁護士か。2015/11/26