光文社文庫<br> 第九の日

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光文社文庫
第九の日

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  • サイズ 文庫判/ページ数 413p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334745127
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

イギリスで一人旅をつづけるケンイチが迷い込んだ「永遠の町」は、人間のいないロボットだけの町だった―。なぜ、ぼくたちは、痛みを感じないのか?心は、神の奇跡なのか?AIとロボティクスの近未来を描いて、瀬名秀明が永遠の命題に挑む、畢生の恋愛科学小説。憧れと驚き、そして歓び。思索の沃野を翔ける「物語」の力が、いま、世界を救う。

著者等紹介

瀬名秀明[セナヒデアキ]
1968年、静岡県生まれ。’96年、東北大学大学院薬学研究科博士課程修了。薬学博士。現在は、東北大学機械系の特任教授(SF機械工学企画担当)。’95年、『パラサイト・イヴ』で、第2回日本ホラー小説大賞を受賞。’98年、『BRAIN VALLEY』で、第19回日本SF大賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chikara

51
初作家さん。帯コピー『心は、神の奇跡なのか!』期待して読み、期待を裏切らない作品。難しいけど面白い。ロボットが思考する「信仰」・「心」・「自由意思」。人と同じ哲学。2015/10/05

em

17
先日読んだ対談によれば、石黒浩教授はアンドロイドを「人を理解するための研究道具」だと考えているらしい。たぶん、ロボットを扱った小説もこれに似ている。機械化したヒトとヒト化した機械、人間性(ヒューマニティ)の拡張、AIの自由意思、視点の獲得。読者は作家の思考実験に導かれてこの物語世界を見てまわるうちに、人間とは、心とは何か、というとりとめのない道に迷い込む。読後に無性にノンフィクションが読みたくなる、(私にとっては)ありがたい作家さん。2018/09/17

うめ

16
自然科学を極めた人は、哲学や神学に傾倒してゆく。物理と宗教、科学と哲学は相反するようでいて、どちらも密接に絡み合って存在していてもはや、切り離せない。今回の話も面白かった。デカルトの密室を読んだのはかなり昔だったけれど、すんなり世界に入り込めた。物語や小説を読む人は、読まない人の数倍の人生を生きている。それは物語を読む事で新たな視線と生を受け、読み終えることで擬似的な死を繰り返しているからかもしれない。読んだ物語の数分の喪失はきっと私を強くしている。そう、思った。2015/04/30

らきむぼん

13
『デカルトの密室』の続編。 ケンイチシリーズとして、お馴染みのキャラクターたちが活躍する中編集という感じだが、デカルト同様になかなかにカロリーの高い作品群だ。 各作品は名作のオマージュの形をとっており、たとえば『モルグ街の殺人』を元に作られた「メンツェルのチェスプレイヤー」は、ロボット学とミステリを融合させた象徴的な一編。デカルト事件の後を描いた表題作は、このシリーズの最重要エピソードといえる。 ロボットのことを考えるほどに人間のことを考えることになるのは、当然だが不思議なことだと思う。2022/10/15

miho

11
『デカルトの密室』よりも読み易かったがテーマは重厚なまま。普段、最先端科学の現場というのは、その方面に疎い私のような人間には難しすぎて全くの他人事のように見過ごしているが、実は人間の本質に迫る誰しもに切実な問題と密接に関わりあっているということを思い出させてくれる。まさに著者自身の自在な視点の切替の為せる技。毀誉褒貶あるだろうが、私は、専門的な学問と普遍的な生活の橋渡しとなってくれる、とても貴重な作家さんだと思う。レナの父の言った「科学とは謙虚なものだ」という台詞が心に残った。2010/10/20

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