内容説明
恋人を殺された三沢光司は、被害者にストーカー行為を続けていたとして、容疑者扱いを受けていた。口下手で対人恐怖症気味の風俗嬢・三枝ひとみは、護身用のスタンガンとナイフをバックに忍ばせていた。生きることに不器用な二人が出会ったイヴの夜、誤解から殺意が生まれ…。その日、いったい何が起こったのか?痛いほどに切ない恋愛小説がここに誕生した。
著者等紹介
小川勝己[オガワカツミ]
1965年長崎県生まれ。2000年、『葬列』で第20回横溝正史賞を受賞し、デビュー。その後、『彼岸の奴隷』『眩暈を愛して夢を見よ』などの話題作・問題作を続けて発表し、一躍ミステリー界注目の存在となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちょこまーぶる
56
面白かったけど、何なんだぁ~と思う場面も多い一冊でした。話の内容は、物凄く面白くてページを捲るスピードは速かったんですが、主人公の光司には共感というか応援というかできる部分が多かったんですが、他の登場人物がどうもいけ好かないというか、どの人も人を疑い過ぎて自分以外を信用しない人ばかりで読み進めて何だか苦しくなってしまいました。人を信じるっていけない事なんですかね?って問いかけられているような気がしてならない一冊でした。でも、最後は希望が見える終わり方で、ある意味ホッとしましたね。2023/12/30
優希
44
コミュニケーションがうまく取れないのがもどかしかったです。2023/05/25
むつこ
20
恋愛小説とのことですが、題名どおり恋愛前夜までのおとなしいカップルのお話。口下手だとどうしても他人に誤解を与えるが、この二人は特別にイライラする。恋人を殺された男は周囲から犯人と追いつめられてイヴの夜にデリヘル嬢と迎えます。その3年後、二人は意外な場所で再会し交流を始めるが女の方にストーカーの影が忍び寄り。。。読んでいる間はイライラしっぱなし、どういうラストになるのか見届けてやろうと我慢していたが気持ちよく爽やか気分になれた。まさしく「イヴの夜」の話だった。2014/12/08
勉誠出版営業部
3
小川勝己さんの『イヴの夜』を読了。一応恋愛モノにジャンル分けされると思うんですが、そこは小川勝己さんらしく一筋縄ではいかない。問題を抱えた2人が出会うまでの過程が面白い。2016/01/30
韓信
3
イヴイヴの夜に読了。小川勝己らしいゲスな悪意(今作では登場人物個人だけでなくメディアや世間一般も)とこじらせた人物像で、元土方とデリヘル嬢のコミュ障同士の恋のはじまりを描く。誤解が殺意を招き、イブの夜、ホテルの一室で、男は右手に出刃包丁と左手に刺身包丁、女は右手にスタンガンと左手にナイフで対峙する、恋愛小説らしからぬ出会いに草生える。自分も人付き合いが苦手な方なのでそこそこ共感しつつ読めたが、前半の殺人事件の犯人探しと後半のストーカーの謎は物語のスパイスでしかないので、ミステリ風恋愛小説として読むのが吉。2015/12/23




