内容説明
「どうしているのか連絡くらいしてください。あなたは何様ですか」―出会い系サイトで知り合った八つ年下の恋人との交際は、あっけなく終わった。担当編集者の野末君と通い始めたK大辻堂キャンパスに、「私」の探し求める男はいるのだろうか。恋多き作家「前川麻子」が、うそと真実の隔てを超えた世界で、そのひりひりするような生き方を描いた最強の恋愛小説。
著者等紹介
前川麻子[マエカワアサコ]
1967年東京・渋谷生まれ。舞台・映画女優を経て、2000年に『鞄屋の娘』で、第6回小説新潮長篇新人賞を受賞して、作家デビュー。小劇場を中心に、女優・脚本家・演出家としての活動も続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なつ
13
何が嘘で何が事実か。読むのやめよう、、と思いながら最後まで読んだ。確かに「ヒリヒリ」するけど、もし、この話を友人にされたらそうなの?ぐらいで終わってしまいそう。わかるような、わからないような、不思議な気持ちのまま読了。2016/07/25
紫の上
3
私と恋愛感が同じで、ひきこまれた。ちょっとひねくれた(笑)恋愛感を持っている人にお勧め2010/01/06
\しおり/
1
何が本当なのか。「私」が忘れられない男を主人公にした小説。しゃべる犬。取材相手は大学生男子たち。枝村君も小林君も千葉君も同年代で同性なのにそれぞれみんなすごく違う。自分も若い男をこういう風に見るようになるのかと思ったら少し怖くなった。2015/07/22
ばっは
1
改めて文庫本をかって再読。やっぱこれが一番好きだ(彼女の作品の中で)。何かを生み出すときの苦悩とかがよくわかる。この人の役者としての姿もみてみたい。2009/09/30
tenma
1
作者の独り言を纏めたような話。▼作者から見て、男の子と呼べる世代の男性が出てきて、かれらの恋愛感と自分の恋愛感を並べ、好きや嫌い、もっとドロドロしてないと本当の恋愛じゃない・・・・、そういったことを書いている。当り前のように、女性は一人も出てこない。会話に参加させていない(唯一エロ俳人のみチラ見せ)。最後の方、編集者の野末君に「純文学風なんですね」と言わせているが、初めてこの作家の本を読む身としては、一番言って欲しくない一言だった。こういうことを「戯言」と言い切っている西尾維新の方が潔いな。2009/09/17