内容説明
フリーライターの寺坂真以が仕事場代わりにしているファミリーレストランには、名探偵がいた。店の常連ハルお婆ちゃんは、客たちが話す「不思議な話」を聞くと、真以を呼び寄せ、たちどころに謎を解いて見せるのだ。そんなお婆ちゃんにも、ある秘密があったのだが…。可愛くって心優しいお婆ちゃん探偵が活躍する、ハートウォーミングな連作ミステリー。
著者等紹介
松尾由美[マツオユミ]
金沢市生まれ。お茶の水女子大学外国文学科卒。1991年「バルーン・タウンの殺人」がハヤカワSFコンテスト入選。そのユニークな設定とユーモア溢れる作風で注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょこまーぶる
117
ほんわかとした一冊でした。フリーライターの女性が仕事場としているファミレスで出会うハルお婆ちゃんの存在が可愛いらしく、しかもミステリーを解決していく閃きも素晴らしい。ただ、このお婆ちゃんは寂しさを持った人にしか出会えないというようで、ファミレスでは従業員と主人公の真以さんにしか見えていないというシチュエーションも良いですね。そして、そのファミレスで出会った刑事と真以さんの恋話も挿入してある点もほのぼのとしていましたね。本格ミステリーの好きな人には物足りないかもしれないけど、コーヒーブレイク的な一冊です。2014/07/26
青葉麒麟
97
ちまちました和服姿のハルお婆ちゃんが可愛い。でもまさかの○○キャラで吃驚した。なんと言うか凄くアッサリした内容だった。どの話・キャラも強烈な印象を残す事なく淡々と読み終えた。2013/07/02
セウテス
84
【ハートブレイク・レストラン シリーズ】第1弾。フリーライターの真以が仕事場代わりに使う郊外のレストラン、この店にはハルおばぁちゃんという常連客が居る。ハルさんは、他のお客さんが話す不思議な会話を聞いて、たちどころに真相を言い当てます。これってオルツィ氏の「隅の老人の事件簿」の、クリスティ氏のマープル版かとなります。しかもですよ、普通の格好の優しいハルおばぁちゃん、ただ一つ違っていたのはハルさんは幽霊だったのです。ホッとひと息疲れていても読めてしまう、ハートフルなミステリ。サスペンスは、全く在りません。2022/04/01
七色一味
83
読破。設定は面白い。でも、ミステリーとしてはどうかというと、微妙な感じ? 物語的にも、あまり残るものがなかったかもな…。軽やかな文体で、読み辛い部分もそうないんのですが、どうも薄いと言いますか…。ん~、読んだ直後の感覚は良かったんですけど、後まで残る部分がないというか…。2013/05/26
コットン
77
読メ友達からお借りしている本。愛嬌のあるハルお婆ちゃんのほんわかとする語り口に似合わない鋭さとフリーライター寺坂さんの戸惑い具合が楽しい上質のユーモアミステリー。2013/03/28