出版社内容情報
ロンドン経由で占領下フランスヘの潜入というヴェイユの希望を却下した後、自由フランスが彼女に与えた仕事は、祖国から送られてくる政治文書の分析と批判だった。その成果として遺された論文は彼女の哲学・宗教思想を土台とした政治についての考察であり、ヴェイユ思想の集成といえる。晩年の状況を物語る近親者へ宛てた愛溢れる手紙も収録。
[関連書]同著者『労働と人生についての省察』(勁草書房刊)
『根をもつこと』(春秋社)
内容説明
デモクラシー・権利・人格概念の欺瞞を撃ち、集団、権力への隷属から脱出せよ。善の地上的形態としての真・美・正義を可能ならしめるもの、それは愛の狂気。命を削って書き遺した政治についての哲学・宗教的考察と近親者に宛てた愛溢れる手紙。
目次
人格と聖なるもの
われわれは正義のためにたたかっているか
臨時政府の正当性
人間にたいする義務宣言のための試論
新憲法草案に関する考察
新憲法のためのいくつかの重要概念
この戦争は宗教戦争である
反乱についての省察
政党全廃に関する覚え書
断章と覚え書
モーリス・シューマンへの手紙
兄への手紙
父母への手紙
著者等紹介
田辺保[タナベタモツ]
1930(昭和5)年生れ、1953年大阪外語大卒、1959年京大仏文大学院卒。フランス文学・哲学専攻、岡山大学・大阪市立大学名誉教授。2008年逝去
杉山毅[スギヤマツヨシ]
1931(昭和6)年生れ、1954年大阪外語大卒、1957年京大仏文大学院修士課程修了。フランス文学専攻、広島大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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