光文社文庫<br> 原島弁護士の愛と悲しみ

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光文社文庫
原島弁護士の愛と悲しみ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 302p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334744083
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

江戸川区小岩で起きた残虐な母娘殺害事件。その容疑者の弁護を買って出たのは、良心的で正義感に厚いと評判の原島弁護士だった。しかも原島は、かつて同容疑者に自分の妻と娘をひき殺されていた。職業倫理に忠実であろうとする原島の行為は美談なのか、それとも…。表題作をはじめ、意想外なストーリーを巧みに構築した初期の傑作社会派ミステリー五編を収録。

著者等紹介

小杉健治[コスギケンジ]
1947年東京生まれ。’83年「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。’88年『絆』で日本推理作家協会賞、’90年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

5〇5

13
人の業の深さを感じました。30年以上前の作品で時代の流れは感じるものの、心に迫る生々しさは一級品ですね。最近読んだミステリーが薄っぺらく感じるほどの重厚感のある作品集でした。2021/07/01

chacha

12
最近著者のものをよく読むようになったので表題のデビュー作を読んでみたくなった。「法は犯罪者に対して寛大であり、殺された者より殺した者の人権を尊重する」30年前に書かれたものなのに、古く感じることは無く切れ味が良いと感じるものばかりだった。短編5編。「赤い記憶」の衝撃は大きかった。犯人にされた復讐。その裏には情が潜んでいた。「冬の死」「愛の軌跡」と形を変えたこれも復讐か。最後まで読むとうなりたくなる。「牧原博士、最後の鑑定書」欲望が名誉が人間を狂気に走らせる。読んで良かった。他図書館から取り寄せてもらった2018/02/03

真理そら

11
再読。著者の時代小説を読んだ後で読むと、著者はこの時代から社会への視点が一貫していることに驚く。表題作は職業としての正義と人としての気持ちをどう折り合いをつけるかを反則技のような展開で決着させている。「私が被告人になれば法は私に人権を与えてくれるのです」という状況は今も続いているかもしれない。どの収録作も30年も前のものと思えないくらい古さを感じない。2017/12/10

hit4papa

11
著者のデビュー作を含む短編集です。収録作品は、どれも日本的な情感溢れるヒネリの効いた作品で、その後の著者の活躍を予感させます。『絆』の原島弁護が登場するタイトル作は、弁護をすることになった殺人事件の容疑者は、過去に原島の妻子を轢死させた男だったというお話し。正義の解釈次第ですがやるせない結末です。

智哉

8
著者の初期のころの作品を読むと、こんな作品が書きたいという作家を志した気概のようなものを感じる。法律や秩序では精査できない心の寄りどころや、地位や名誉をかなぐり捨てて人生を賭ける姿がヒシヒシと伝わってきた。短編でなければもっと感情移入できたと思う。2009/06/13

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