内容説明
電車の中で麻田布満は「秋山君」と声をかけられた。失われた十二年間の記憶を知るその人物丹生哲彦によれば、麻田は「秋山信馬」として西海地方の松浦県宝満市で暮らしていたのだという。ある日、当地で起こった殺人事件の証人として秋山宛に召喚状が届いていると、丹生から手紙がきた。麻田は事件の真相と自らの記憶の空白を明らかにするため、宝満市へ向かった。
著者等紹介
大西巨人[オオニシキョジン]
1919年福岡市生まれ。九州帝国大学法文学部中退。毎日新聞西部本社勤務を経て、対馬要塞重砲兵連隊の一員として敗戦を迎える。戦後、福岡で雑誌「文化展望」の編集に当たり、「近代文学」第二次同人となる。’52年に上京。以後、幅広い創作活動を続けている。ほぼ四半世紀を費やして完成した大長編小説『神聖喜劇』(光文社文庫全五巻)は、現代日本文学の金字塔と称される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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山一工房
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なんだか他に類を見ない小説であるな。2009/08/05
ヒロ
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文体が重厚で力強く、ハマるとかなりストレートに頭に入って来るものだった。カフカやチェーホフの引用、話の類比的な構成も面白かったし、『神聖喜劇』とも同様の強固たる信念を持った主人公像も好きだった。「対人間(集団)」としての人間の在り様、行き様の、形式的な「〇〇主義」などの姿勢に捉われず、厳正な正しさを追求し行動していく力強い理想像のようなものを描き出していた。2012/03/23
papaya
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うーん、難しい。2025/05/21
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