内容説明
昭和三十二年、斜陽の探偵雑誌「宝石」再建のため、江戸川乱歩はみずから編集に乗り出した。推理界の精鋭はもとより、純文学の大家も応援せずにはいられない。陪審裁判、ブラック・ユーモア、ハードボイルド、時代ミステリー、SFなど百花繚乱の短編黄金時代を現出させた、ファン必読の傑作を集成。全編乱歩の推薦文つき、さらに未発表小説「薔薇夫人」を初収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kotaro Nagai
6
乱歩は昭和32年から3年ほど雑誌「宝石」の編集長を務めており、その乱歩によって掲載された作品のアンソロジーが本書である。日影丈吉、火野葦平、山田風太郎、香山滋といった名の知れた作家から乱歩が見いだした若手作家の作品が楽しめる。ユニークなのは、星新一「処刑」。彼にしては長め(30ページ近い)でシリアスな作品。彼の作品の中では異色作でしょう。乱歩自身の未発表作「薔薇夫人」は、光文社の全集未収録の作品。ただし、乱歩自身で破棄された未完作。後年「畸形の天女」と「女妖」(全集第16巻)に流用されている。2021/07/15
調“本”薬局問悶堂
1
2ヶ月くらいかけてちょこちょこ読んだ。 これだけ個性的な人がいっぱい揃っていると、自分に合うなっていう人と、どうしても読みにくい人とがいる。意外な人が面白かったり。 それに、著名な方なのに手を出したことがない人もいて、満足の1冊だった。 表紙のオブジェもちょっと好きだ。 《2020年5月 登録》2007/08/10
硯浦由咲
1
乱歩先生が「宝石」の為に奔走していた様子を執筆依頼された方々が書いたものを読んだことあるけど、乱歩先生も楽しかったろうなぁと思う。面白い探偵小説を読みたい、読者に届けたいという気持ちは本当に純粋だったろう。2014/10/14
ひなにゃんこ
1
★★★☆☆ 全く違った作風の短編が集められているので、好みじゃないのもあったけど、まずまず。最後に収められていた乱歩の未発表の作品は、間が脱落している上に未完で、消化不良。2009/08/08
mnagami
0
短篇集。いろんな作家が書いているので、飽きないで楽しめる。日影丈吉が特によかった。2015/06/14
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