内容説明
四方に山岳を持つ小さな村、初冬。その黄色い犬は、三年ぶりに戻ってきた。今は亡き孤独な老人と自分を痛めつけた者たちに復讐するために(「北の叫び」)。昭和二十年春、七歳の私は一頭の馬と髭面の兵隊さんに出会った。馬と私の幸福な日々は、やがて敗戦という現実に壊されていく…(「青のいた国」)。誇りをかけて闘う動物たちの魂を描ききる感動の動物小説集。
著者等紹介
笠原靖[カサハラヤスシ]
福井県小浜市出身。明治大学法学部卒業。福井放送アナウンサー、学習研究社を経て、イラストレーターとして独立。1990年『夏の終り』で、第7回織田作之助賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
128
この中には5つの短編が収められています。すべて動物が主人公となっていて、犬、馬、猪と犬、鯉、兎とバラエティに富んでいます。好き嫌いのある人がいるかもしれませんがアダルト向けの童話のような感じです。私は年齢が年齢なので涙もろくなって、犬や馬の話はついつい涙になってしまいました。兎の話はコミック的な感じでした。楽しめます。2016/05/17
yamakujira
2
犬、馬、猪、鯉、兎、動物を主人公にした5話の短編集。動物が思考するのは違和感があるけれど、ちゃんとハードボイルドになってて、おもしろいね。「青のいた国」だけはちょっと毛色が違って、少年と軍馬とのふれあいをつむぐ戦争小説で、どこかで読んだような記憶があるのに思い出せない。 (★★★☆☆)2013/10/17
カエル氏
0
「北の叫び」「青のいた国」「強者たち」が好き。戦争は動物も不幸にする。2019/02/19
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