内容説明
河合瞳子が大阪郊外のホテル七階から飛び降りた。周囲を魅了した彼女の突然の死。大学卒業から五年、その報せは仲間に大きな動揺を与えた。そんな折り、友人たちに瞳子からのはがきが。そこには、わたしのことを殺さないで、とあった。彼女を死に赴かせたものは?答えを自問する残された者たちが辿り着いた先は?ほろ苦い青春の終わりを描く感動のミステリー。
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒。’93年『凍える島』(創元推理文庫)で第4回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ダイ@2019.11.2~一時休止
104
友人の死は自殺?。動機とか人間関係とかいろいろ、え~って感じ。2017/10/17
りゅう☆
99
瞳子が自殺した。女神のような存在として瞳子を好きだった弦。だが瞳子を嫌ってた恋人法子の方がショックが激しい。なぜそんなに?「私のことを殺さないで」というはがきが仲間に届く。どういう意味?瞳子は本当に自殺だったのか?各々の瞳子への感情が描かれ、最終章で明かされる小説の意味で死の意味が分かったし、パリでの瞳子の悲劇は甚いが、結局世間知らずで自分の美しさが故の不幸なのでは?と思うと全然同情できない。ここまで来るのに遠回りしたな。読者を惹きつけるという点は絶妙。不愉快なのは弦の無駄な優しさと優柔不断な気持ちだな。2021/03/01
はつばあば
59
私は自死が嫌いだ。私の友人も27才という若さで自死した。若い頃、誰しもがもつ繊細な硝子細工のような心を皆が温かく見守ってあげれば・・今じゃいいおじいさんになってただろうにと。もしその自死した友人から「私を殺さないで」なんて葉書が届いたら・・えっ?えっ?なんてうろたえてしまうだろう。そして・・そして・・どうしただろう。何故死ぬ前に一言彼の嫁さんに言葉が無かったのか・・子供が産まれたばかりだったのに。それ以来忖度という言葉も嫌いだ 2017/09/12
tengen
57
瞳子、弦、法子、サチ、加代、猛の5人は大学時代の仲間。 今も折に触れ集まる繋がりだが、瞳子が遺書もなく自殺してしまう。 そして、残された者たちに瞳子からのハガキが届く。 「わたしのことを殺さないで」 彼女の死の秘密は? ☆彡 青葉の頃を引きずってもねぇ。。 2017/05/31
ワレモコウ
49
大学卒業から5年、みんなの憧れだった瞳子が飛び降り自殺をした。瞳子に崇拝しながらも法子と付き合う弦。放浪癖のある猛。仲良しだった加代、瞳子とよく似た主人公を漫画に描くサチ。 瞳子の死をめぐり、友人5人のそれぞれの想いがぶつかり合い、やがて「私のことを殺さないで」というハガキがみんなに届く頃、色々なことが動き出す。 語り手が変わるごとに、誰が語っているかがわかるまでに時間がかかってしまった。2023/11/14