内容説明
見た目は愛らしいぬいぐるみだが、中身は心優しき中年男・山崎ぶたぶた。彼が作る料理は、どこか懐かしく切ない思い出の味だ。大好きだった祖母が作ってくれたチャーハン、遠い夏休みの記憶を喚び起こすかき氷…それらが、傷つき疲れた人々の心をときほぐし、新たな一歩を踏み出す勇気を与えてゆく―。心の奥をほんのりと温めてくれる、傑作ファンタジー。
著者等紹介
矢崎存美[ヤザキアリミ]
埼玉県出身。1985年、星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞。’89年に作家デビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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masa@レビューお休み中
227
あぁ〜。思わずその場で地団駄を踏んでしまう!ぶたぶたさんの料理が食べたい。ぶたぶたさんに会いたい〜。飽くなき欲求のように叫び出したくなるのです。もう、どうしてなんでしょうね。こんなに非リアルな主人公なのに、会いたくなるし、話したくなるし、仲良くなりたくなってしまう…。これこそがぶたぶたさんの魅力なんだろうなぁ。落ちこんだり、生きることに行き詰まったり、次の決断ができなくなったりした人々が彼に出会うことで変わっていきます。それはおいしい料理を食べたからだけではないんですよね。そこがぶたぶたマジックなのです。2016/02/11
ダイ@2019.11.2~一時休止
162
ぶたぶたその6。短編集。今回は食事に関するお話。相変わらずホッコリさせられるがチャーハンの話が一番良かった。2014/10/31
小梅
142
食べ物がテーマの4作品。チャーハンもあさりの酒蒸しもガレットもアイスやカキ氷も全部食べた〜い。子供の頃、家にもアイスクリームメーカーがあり、ぐるぐるハンドルを回してバニラアイスを作ったのを思い出しました。作りたてのバニラアイスは濃厚で美味しかったなぁ〜2015/06/02
nobby
135
ぶたぶた4冊目は気付けば1年ぶり。今回は料理にまつわる短編。ぶたぶたさんが酢豚注文の場面に微笑み、思い出すこの感じ♪炒飯・アサリ・ガレット・かき氷と、どれも美味しいに留まらず、いろんな想いが詰まっている。それにしても、こんなに切ない話ばかりだったかな?自分は「最後の夏休み」が好み。どこにも向けようのない寂しさ、素直になれない強がりと、かき氷からクリームあんみつへと羨望の哀しい対比がたまらない。もう少しペース上げて読んでいこう!順番通りも崩れたみたいなので(笑)2016/10/22
優希
108
美味しそうな食べ物が出てくるので生唾ごっくんものでした。とはいえ、物語自体は若干重い感じがして、ぶたぶたさんシリーズにしてはちょっと雰囲気が違うような気がします。特に山崎家の事情とかね。家族の秘密が刺さります。それでもぶたぶたさんは皆を幸せにするんだと思えるからこそ、ファンタジックな世界で楽しませてくれるんですね。2017/07/30