内容説明
不倫、万引き、覗き、睡眠障害…。日常を生きるために、恋をまっとうするために、普通に“壊れて”しまう“あたし”たちをストレートに描く九編。
著者等紹介
柴田よしき[シバタヨシキ]
東京生まれ。1995年、『RIKO―女神の永遠―』で第15回横溝正史賞を受賞しデビュー。以後、警察小説、本格ミステリ、伝奇ロマン、恋愛サスペンスなど様々なジャンルで精力的に執筆
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
219
またしても迂闊なかたちで、大変なところに迷い込んでしまった様だ(´•ω•̥`)。恋する女性たちの短編集。恋と言っても晴れやかでは無くてね。些か拗らせ過ぎと言うか。ネコは水が苦手なのに何で魚が好きなのか?って疑問をお持ちの様ですね。日本の食卓には魚があるからで。これがインドであったならば、ネコはカレーが好きとなるとか(マジで⁉︎)。ネコはヒトが日常的に食べる物を食べる様になるだけみたいですけどね。水が苦手とか関係なく。2022/06/29
ぺんぎん
53
知らずに壊れていく女性の姿がどんなホラーより怖い。「化粧」以外は読後が重い。何かの弾みで自分もこうなるかも…とか思うとまたゾッとする。2022/04/27
おくちゃん✨🎄✨柳緑花紅
38
9つの短編集。怖い!怖い!女は怖い。柴田よしきさんはあとがきで「この作品集の中にあなたはいましたか?」と書いている。私に近い人がいた。私が怖すぎる。2013/08/19
あやっぴ
33
著者の作品は何冊か読んでますが、女性を描いた作品は初めてです。短編集で、普通の女性がふとしたことで少しずつ壊れていき、行動もエスカレートしていくぞっとする話が多かったです。その中で『化粧』が毛色が少し違いとても良かったです。化粧をすることは女性の本能だという説、なるほどと思いました。憎たらしかっただけの姑が最後のシーンでは可愛くて微笑ましかったです。2021/11/26
ハワイ猫
24
タイトルと装丁で選んだけど、描かれている女性は皆、紙一重で踏み外したり壊れたり。読後感もやや重く、読みながら休憩が必要でした。「やすらぎの瞬間」「深海魚」はかなり怖かった。動機に納得しそうになる自分に。面白かったのは「どろぼう猫」「誰かに似た人」「化粧」かな。恋のために壊れそうになるけど、先に自分を立て直して捨ててしまう強さ。壊れるより身勝手なぐらいが、物語で読むにはいいな。2015/01/24