内容説明
“俺”のモットーは「くだらぬモラルよりも、目の前の現ナマと女」。荒っぽい仕事はお手のものだ。相棒は、女にめっぽう強い高木と美貌の秘書・千津子。今日も愛車の改造ルノーを駆り、モーゼルHscをぶっぱなす!息もつかせぬ展開に、キレの良いセリフ―無頼の私立探偵津島のダーティー・ヒーローぶりが光る!大薮ワールドが炸裂する連作11編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫兄弟
3
飲んべえの中年暴力男が主役のハードボイルド。これは凡作だった。嘘とハッタリ、金と暴力で事件を解決していくだけなので途中で飽きてしまった。数少ない見所は当時のクルマ事情が描かれている場面。ルノーの丸っこいセダンにポルシェ356の1.6Lエンジンを押し込んだ改造車が青梅街道を時速160kmで疾走したり、ヤクザがジャガーマークⅩを転がしてるあたりに時代を感じる。「野獣死すべし」で鮮烈なデビューを飾ったダークヒーロー、伊達邦彦が見せた迸るエネルギーも今作では不発に終わったようだ。2024/09/27
depo
1
図書館リサイクル本。久しぶりの大藪さん。東邦秘密興信所所長津島を主人公とする11編の連作短編集。愛車ルノーを駆り、モーゼルをぶっぱなし窮地を脱し事件を解決する。短編集なのに大藪さんらしさ満開。2022/03/17
バチスカーフ
0
オリンピック開催を目前に控え歪な開発で混沌の都と化した東京を舞台に、猥雑と金と暴力だけをテーマにしたノワール短編連作。現在の中国を笑えない無法世界は、はたして大藪春彦の脳内だけの話なのか。マンガ三昧から脱却のためのリハビリのつもりだったが、これでは藪蛇だったようだ(笑)2011/08/25
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