内容説明
江戸川乱歩はなぜ、幻の作家の小説『仮面の恋』を封印したのか。真相を探る作家志望の青年を、由布院温泉に訪れた編集者・服部健太郎。しかし青年は何者かに襲われ意識不明。謎の美少女が現われて、小説も紛失した。―昭和初期に起きたある殺人と、探偵乱歩の名推理。隠された暗号、男装の麗人…健太郎と妻の知香が謎を解く。耽美の世界が現代に甦った。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masabox
2
乱歩xx周年とかたくさんあるであろうフェアの流れでの1冊。とは言え、著者渾身の入れ子構造での謎解き。その作品は一体なぜ、と言うか、どうしてこんなことがと、畳み込む前にしっかりと時代背景、関係人物を描き、読者をその世界に引きずり込むのが熟練の技です。すっかり、その世界観を堪能できます。乱歩が生きていた時代も垣間見える一冊。2022/05/24
葉
2
帯裏の文章がおかしいような気がする。由布院温泉に訪れる服部健太郎が事件に遭遇する。学生の頃から貧乏旅行の経験豊富な知香のはっきり言うタイプは、個人的に苦手かもしれない。この時代の本から町おこしというフレーズがあることに多少の驚きがあった。新聞記者がペンを翳してくるという文章は綺麗と感じた。終局編からは麗奈や健太郎などの会話が乱れ飛ぶ。由布院温泉に行ってみたいと思った。2017/08/16
きりだんご⭐️新潮部
1
●ブックオフ2016/10/18
DearestAnna0109
0
1994年の江戸川乱歩氏の生誕100年を意識して書かれた作品のようです。 入れ子構造の作中作も時代がかった雰囲気を出しており中々凝った作品でした。 私の理解力や読解力が乏しいせいか最後のオチが今ひとつ理解できませんでした。 解説を読むと色々と江戸川乱歩氏の作品を踏まえた仕掛けや描写もあるようですが、恥ずかしながら私は江戸川乱歩氏の作品を一冊も読んだことがないので、その辺りの作者辻真先氏の苦労も報われないことになりました。2018/10/20
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