内容説明
明治末、東京一の貧民街・四谷鮫河橋を通りかかった女学生・徳永恕は、恵まれない子どもたちと共に生きる決心をした。自らの幸せを捨て、生涯を“保育”に捧げたその歩みは、そのまま日本の幼児教育と社会福祉の歴史である。―上、山崎夫妻による前作『日本の幼稚園』(光文社文庫)に続く児童史・女性史研究の労作。
目次
第1部(くすのきの若葉の蔭に;二基のいしずえ―野口幽香と森島美根;二葉幼稚園の誕生)
第2部(鮫河橋に建つひともとの標柱―徳永恕の登場;二葉からみどりの若木へ―新宿スラムでの分園設立;日本の〈ハル=ハウス〉への道―多面的な事業への歩み;戦争の嵐にもまれて;敗戦後の冬の季節を)
第3部(「青鞜」に惹かれつつも;〈女のしあわせ〉を超克して;限りなき献身の人)