- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > 雑学文庫
- > 光文社 知恵の森文庫
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
74
新約聖書を題材にしたエッセイのような本でした。それでいながらポイントはきちんと押さえていると思います。福音書、イエスの十字架と復活という部分はかなり詳しく書かれている印象です。聖書の性格や構成、歴史を俯瞰的に見ることができるので入門書としては最適だと思います。聖書の中の聖書と言われる「神は愛です」の御言葉は外して欲しくはなかったですが。2016/07/11
たつや
35
再読ですが、以前、読んだ内容は覚えておりませんでした。聖書に興味を持ったきっかけは、遠藤周作の「沈黙」やトルストイの作品を読んで、衝撃を受けたことが、きっかけです。2000年前に死ぬ気で書かれた、聖書は読む人も死ぬ気で読まなければいけませんという三浦さんの言葉がずしっときました。解説もわかりやすいので真剣に読んで、短期間で勉強したいと思いました。2016/09/05
Nobu A
27
三浦綾子著書7冊目。「旧訳聖書入門」に続き本書も読了。一言で言うとやはり簡単ではない。いやかなり難解。しかしクリスチャン作家が自らの経験を開陳しながら説いてくれる。そもそも旧約聖書がユダヤ教、新約聖書がキリスト教になっていることすら知らなかった。前者の生誕地、イスラエルは西アジアに位置する。キリスト教が西洋だけに泰西のイメージが強いがそうではない。新旧合わせて66巻。合計1700頁超。現時点で読む気は起きないが、人類の歴史の一端に触れただけでも良しとしよう。いつか読む機会が訪れるかもしれない。2025/03/03
koji
26
新約聖書の入門書というより、「聖書を平易で深く心に刺さる言葉で語り尽くした」三浦綾子さんの文学そのものと思いました。キリスト教徒でない私にとって、人間の原罪、神のご加護に思いを馳せるのは容易ではありませんが、日々の悩み、苦しみから心が解放される(本書が引用する)聖書の言葉は、三浦さんの絶妙な挿話で箴言としてストンと胸に落ちてきました(特に時代背景が分からず引っ掛かる言葉ほど丁寧に解説してくれているのが有難いですね)。例え聖書に行き着かなくても、本書を手元に置いてれば生きる力を持ち続けられるとも感じました2021/12/25
加納恭史
22
聖書のスタディ版は注釈と併用して読む必要があり、読み易いものがないかと思う。三浦綾子さんの「氷点」をチラット読み、語り口が良いので、この本の新約聖書も独特の語りがありそうで手に取る。三浦綾子さんは1922年旭川市生まれ。私の母の世代かな。肺結核と脊椎カリエスを患い、13年間の療養生活を送り、この間にキリスト教への関心を深め洗練を受けた。平信徒であり専門的なことは何も知らないと言う。だが受け売りの手引きが多いが、彼女なりの真摯な探究で世に問う。最初は愛する人から聖書は送られた。次第に深い信仰と生き方を探る。2025/01/22