出版社内容情報
太平洋戦争時、病院船として海軍に徴用された日本を代表する豪華客船・氷川丸。
若き軍医・河野順平は、船内に満ちる戦傷兵の無念と、助けられない無力さに向き合う先輩医師たちの姿を目に焼き付けつつ任務に励む。
悪化する戦況。攻撃を禁止されている病院船と知りつつも氷川丸をつけ狙う敵の出現。陸軍との対立。氷川丸の運命は?
歴史小説の第一人者が若き軍医の目を通して描く、慟哭の「戦争の内側」
【目次】
内容説明
太平洋戦争時、病院船として海軍に徴用された日本を代表する豪華客船・氷川丸。若き軍医・河野順平は、船内に満ちる戦傷兵の無念と、助けられない無力さに向き合う先輩医師たちの姿を目に焼き付けつつ任務に励む。悪化する戦況。攻撃を禁止されている病院船と知りつつも氷川丸をつけ狙う敵の出現。陸軍との対立。氷川丸の運命は?
著者等紹介
伊東潤[イトウジュン]
1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。『黒南風の海―加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』(PHP研究所)で「第1回本屋が選ぶ時代小説大賞」を、『国を蹴った男』(講談社)で「第34回吉川英治文学新人賞」を、『巨鯨の海』(光文社)で「第4回山田風太郎賞」と「第1回高校生直木賞」を、『峠越え』(講談社)で「第20回中山義秀文学賞」を、『義烈千秋 天狗党西へ』(新潮社)で「第2回歴史時代作家クラブ賞(作品賞)」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
143
横浜港に係留されている氷川丸が、戦時中に病院船になっていたとは知らなかった。その船に乗り組んだ若き海軍軍医は傷病兵を救うため奮闘するが、最前線を駆け巡る病院船は戦局悪化の実情を最初に悟らされる場でもあった。大量の死と悲鳴に心を削られ無力感に苛まれ、山本五十六の苦悩を間近で目撃して青年が戦争の正義を疑い、敗北を予感しながら愛する女性との未来に希望を抱く物語は強い迫力で読ませる。ただ恋人を横浜空襲で失う終盤の描写はやや駆け足で、戦後に入ったはずのペニシリンが最初からあるなど考証に誤りが見られたのは残念だった。2026/09/14
信兵衛
27
「戦争は一度始めたらそう簡単に終われない」という趣旨の言葉が胸に突き刺さります。結局は、国民の苦難、困窮などは度外視され、戦争を起こした者の意地の張り合いになるのですから。 だからこそ、戦争を起こしてはならないという意識の共有、そのために知恵を出し合う、ということが重要なのだと、改めて思います。2026/09/23
mitubatigril
20
創作が入っているとはいえ悲惨な思いをしてた方が居た事に気づいて心が痛む。 戦時中とはいえ、無茶な命令に抗議しても最後は軍の命令と脅し 法の遵守を盾にしても通じない。戦局のせいだし時代もそうだろうけど 結果被害者は一般人なんだよ みんな色んな感情で大変だっただろうけど、、、 しんどい😓2026/10/06
やまさん
16
太平洋戦争時に病院船として海軍に徴用された豪華客船・氷川丸。傷ついた兵士たちは日本に運んでくれるその船を「海峡の女神」と呼んだ。私の母親(現在92歳)は一家がカナダに移住しており母の3歳時に日中戦争等できな臭くなってきた時に日本へ帰国したのはシアトルからの氷川丸だったらしい。その船が病院船として徴用されていたのは初めて知りました。氷川丸で奮闘した軍医医師・河野順平の「どうしてこんな戦争を始めたのでしょうか」は今夏公開された映画「開戦前夜」にもつながる国民の想いでしょうね!2026/09/24
TI
13
病院船となった氷川丸に乗り込む新人軍医の話。小さな違和感が多い。船に積み込む医薬品にペニシリンやメフロキンなど当時ない医薬品が積み込まれたりアセトアミノフェンが現場で投与されたり、また開戦して1ヶ月ほどの時点で患者の兵卒が真珠湾は騙し討と言っていたり(どうやって知ったのか)、空襲も始まってないときに「この戦争は負けとみんな言っている」(本当か?)あるいは友人が「メモを取っといてくれ」と言うがこの時代にメモを取るとい表現があったのか?など???多い。小説といってしまえばそれまでだが時代考証がかなりガバガバ。2026/09/07




