出版社内容情報
19世紀フランスを代表する小説。田舎医者シャルルとの平凡で退屈な結婚生活にエマは倦んでいた。理想と現実とのギャップ。満たされない心……。彼女はやがて夫の目を盗んで情事を重ね、散財を繰り返し、膨大な借金を抱えてしまう。センセーショナルな内容から発表当時は不道徳の廉で訴えられて裁判沙汰になったが、その効果もありベストセラーになった。作家の深意、意向、意図を可能なかぎり反映させた忠実な翻訳。
【目次】
内容説明
田舎町の冴えない医者シャルルとの平凡で退屈な結婚生活にエマは倦んでいた。理想と現実とのギャップ。満たされない心…。彼女はやがて夫の目を盗んで情事を重ね、散財を繰り返し、膨大な借金を抱えてしまう。近代フランス文学の傑作であり、フローベールの代表作。
著者等紹介
フローベール,ギュスターヴ[フローベール,ギュスターヴ] [Flaubert,Gustave]
1821‐1880。フランスの小説家。ルーアンで外科医の息子として生まれる。大学でははじめ法律を学ぶが性に合わず、創作活動に向かう。1857年、4年半をかけて書き上げた処女作『ボヴァリー夫人』が、裁判沙汰をひき起こしたという宣伝効果もあって大ベストセラーになり、作家としての地位を確立した。晩年は長編『ブヴァールとペキュシェ』に精力をつぎ込んだが、完成を見ずに1880年、自宅で死去
太田浩一[オオタコウイチ]
フランス文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゅんさん
47
出来るだけ名作古典は読んでおきたい、ということでモームが世界の十大小説にも挙げているこちらを。簡単に言えば田舎住まいの女性が結婚生活に幻滅し、不倫に走り散財借金、自滅する、という話。ただそれだけなのに、これだけの分量を退屈せずに読んだ。おそらく文章がかなり上手いのだと思う。この読ませる力・上手さがなんなのか今の私にはわかりませんが、こういう小説がずっと読まれ続けるんだろうなと。あと、太田浩一さんの訳も素晴らしいです。2026/04/19
燃えつきた棒
39
やっと、『ボヴァリー夫人』にたどり着いた! これも、「『ボヴァリー夫人』のここが読みどころ!訳者・太田浩一さんを迎えて」のイベントのおかげだ。/ だいぶ前にサルトルのフローベール論『家の馬鹿息子』の一、二巻を読んだが、実はそのときはフローベールの作品を一作も読んでいなかった。 今思えば、なんてでたらめな読書をしていたのかと悔やまれるが、そんなわけで、今度『家の馬鹿息子』を最初から読み直すにあたっては、どうしても事前にフローベールの作品を読んでおきたかった。 以前、『三つの物語』だけは読んでいたのだが、→2026/04/07
かふ
21
第一章は一人称複数という珍しさ。それはガキ大将的な、バルザックよりは陰湿なイジメのようなシャルルをからかう文章でオタク的な感じか?シャルルの帽子をからかう描写は象徴よりは換喩的でアレゴリー的か?語りの欲望は覗き見というような。シャルルの後を追いかけいつの間にか夫人へと興味を変えていく。第ニ章から三人称が始まるのだが、神の視線というよりは人間の視線か?フローベールは医者の息子であり、まさに人間の解剖学というような小説かもしれない。サブタイトルに地方風俗とあるのはバルザックの人間喜劇を引き継いでいるような。2026/07/12
フリウリ
20
新訳と聞いてさっそく。ストーリー自体はきわめて現代的で、地方出身の女性がブルジョワ(医師)と結婚する一方、胸焦がすような恋愛、そして都会的生活に憧れ、それらを成就させると同時に莫大な借金を抱え、最後に命を断つ。個人的には辻村深月氏の小説を想起したが、19世紀フランスの言論弾圧のなかで、資本主義とともにブルジョワの生活が一般化し、女性の地位や意識が大きく変化していく様子が、散文的技巧を駆使しつつ、描かれています。忍ぶ恋は、農業大会の演説、教会の説教を背景に語られる。明暗、光陰、顕密の対比。すばらしい。102025/12/20
Nick
9
世間知らず、活発な寄宿舎時代を送る。シャルルとのありふれた結婚。不倫に走り、借金まみれから自殺に至る。その後シャルルも亡くなり、ベルトも不幸な歩み。壮絶な女性の生きざまで思い出すのは、スカーレットオハラ、有島武郎の或る女、菊池寛の真珠夫人など突き抜けた愛をつらぬいた女性が思い浮かんだ。2026/10/03
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