出版社内容情報
本格推理小説の巨人・高木彬光が生み出した、日本三大名探偵の一人に数えられる神津恭介の傑作選。探偵作家クラブで実際に「犯人当て」として出題された、日本の短編ミステリーのベスト10には必ず名前が挙がる密室殺人の傑作「妖婦の宿」を筆頭に10編を収録。不滅の名探偵が快刀乱麻を断つ、クラシックな本格ミステリーに瞠目せよ!
内容説明
本格推理小説の巨人・高木彬光が生み出した、日本三大名探偵の一人に数えられる神津恭介の傑作選。探偵作家クラブで実際に「犯人当て」として出題された、日本の短編ミステリーのベストテンには必ず名前が挙がる密室殺人の傑作「妖婦の宿」を筆頭に、不滅の名探偵が快刀乱麻を断つ十編を収録。クラシックな本格ミステリーに瞠目せよ!
著者等紹介
高木彬光[タカギアキミツ]
1920年青森県生まれ。京大工学部卒。’48年に江戸川乱歩の推薦による『刺青殺人事件』でデビュー。’49年に『能面殺人事件』で探偵作家クラブ賞を受賞。’95年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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有理数
9
高木彬光の創造した名探偵「神津恭介」が活躍する作品が集った短編集。基本的に面白いが、さすがに時代を感じるところはちらほら。まとまって読むと、神津恭介はクイーン的なロジカルさというよりも、ものすごい洞察力で一挙に事件を完封するタイプの探偵、という印象が深まった。再読の「蛇の環」はやっぱり結末含めてとても華麗で読み応えがあるし、とある邪教の像を巡る呪殺の謎を解く「邪教の神」も楽しかった。名作と名高い「妖婦の宿」は確かに語り継がれるにふさわしい逸品。真相は見抜けず、よい読者になれた。2025/06/30
Inzaghico (Etsuko Oshita)
6
第二次世界大戦後に発表された短編をまとめたもの。このあたりの雰囲気とか風俗がやっぱり好きなんだよな、わたしは。 「原子病患者」のトリックは、現実に可能なのだろうか。高木彬光は一族が医者という環境で育ったが、これはあまりに現実離れしているように思う。 表題作の「妖婦の宿」は、懐かしの野球拳などが小道具?で出てきたりと昭和感満載だ。大女優にそれを取り巻く男たち、温泉宿での事件……最後に素直にびっくりさせられた。2025/06/18