出版社内容情報
本格推理小説の巨人・高木彬光が生み出した、日本三大名探偵の一人に数えられる神津恭介の傑作選。探偵作家クラブで実際に「犯人当て」として出題された、日本の短編ミステリーのベスト10には必ず名前が挙がる密室殺人の傑作「妖婦の宿」を筆頭に10編を収録。不滅の名探偵が快刀乱麻を断つ、クラシックな本格ミステリーに瞠目せよ!
内容説明
本格推理小説の巨人・高木彬光が生み出した、日本三大名探偵の一人に数えられる神津恭介の傑作選。探偵作家クラブで実際に「犯人当て」として出題された、日本の短編ミステリーのベストテンには必ず名前が挙がる密室殺人の傑作「妖婦の宿」を筆頭に、不滅の名探偵が快刀乱麻を断つ十編を収録。クラシックな本格ミステリーに瞠目せよ!
著者等紹介
高木彬光[タカギアキミツ]
1920年青森県生まれ。京大工学部卒。’48年に江戸川乱歩の推薦による『刺青殺人事件』でデビュー。’49年に『能面殺人事件』で探偵作家クラブ賞を受賞。’95年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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だるま
14
高木彬光氏が生み出した名探偵の中で、一番有名な神津恭介の活躍する短編を集めた傑作選。氏の短編は様々な出版社から出ているが、神津物の代表作を一同に会した短編集は多分初。収録作の『妖婦の宿』と『影なき女』が一応傑作とされているが、個人的に好きな『白雪姫』『原子病患者』『蛇の環』も入っていて、再読だが面白かった。たちどころに謎を解く神津恭介は、あまり人間味を感じさせない推理機械の様で好みのキャラでは無いのだが、密室トリックや叙述トリックのユニークさは、さすが高木氏と言わざるを得ない。傑作選の決定版になるだろう。2025/07/23
Kotaro Nagai
10
名探偵神津恭介が活躍する短編集。昭和24年~31年の10編と自伝エッセイ「探偵作家になるまで」を収録。デビュー作長編「刺青殺人事件」は既読。様々な切り口での謎解きが楽しめるが、「原子病患者」は放射性物質を用いた犯罪で興味深い。造影剤のトロトラストを使うのかと思ったが違いました。「邪教の神」は解説読んでクトゥルー神話ものだと知りました。文中ではチュールーと呼んでますが、Cthulhuと綴るので高木流に翻訳したのかも。「妖婦の宿」はクイーン流に読者の挑戦状付きですが、最後のひとひねりが読めなかったです。力作。2025/07/31
有理数
10
高木彬光の創造した名探偵「神津恭介」が活躍する作品が集った短編集。基本的に面白いが、さすがに時代を感じるところはちらほら。まとまって読むと、神津恭介はクイーン的なロジカルさというよりも、ものすごい洞察力で一挙に事件を完封するタイプの探偵、という印象が深まった。再読の「蛇の環」はやっぱり結末含めてとても華麗で読み応えがあるし、とある邪教の像を巡る呪殺の謎を解く「邪教の神」も楽しかった。名作と名高い「妖婦の宿」は確かに語り継がれるにふさわしい逸品。真相は見抜けず、よい読者になれた。2025/06/30
Inzaghico (Etsuko Oshita)
6
第二次世界大戦後に発表された短編をまとめたもの。このあたりの雰囲気とか風俗がやっぱり好きなんだよな、わたしは。 「原子病患者」のトリックは、現実に可能なのだろうか。高木彬光は一族が医者という環境で育ったが、これはあまりに現実離れしているように思う。 表題作の「妖婦の宿」は、懐かしの野球拳などが小道具?で出てきたりと昭和感満載だ。大女優にそれを取り巻く男たち、温泉宿での事件……最後に素直にびっくりさせられた。2025/06/18
はんく
2
明智小五郎、金田一耕助と並び三大名探偵と称される神津恭介登場のバラエティに富んだ10作品からなる短編集。犯人当ての名作で表題作でもある「妖婦の宿」を初めとして作者としても代表作が並んでいてどの短編も甲乙付け難い。好みとしては「月世界の女」「原子病患者」を推したい。作者の書いた一連の神津登場作品は島田荘司氏に影響を与え綾辻行人氏デビュー以降(それですら40年前になる)の本格ミステリに脈々と受け継がれていると考える。言い換えれば今の書き次がれる数多の「本格ミステリ」は歴史を遡れば高木作品にたどり着くと思う。2025/08/13
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- 和書
- 杜の都殺人事件 角川文庫




