出版社内容情報
反転! 反転! また反転。語りと騙りの大渦巻が再び。4つの油断ならない短編が巻き起こす、幻惑の嵐をご堪能あれ。
作家と訪問者の息詰まる神経戦を発端に、読者の認知を極限まで揺さぶる「騙り」の大逆転劇。斯界の話題を独占した『透明人間は密室に潜む』から、奇天烈な発想領域は更に拡大! ハードボイルド、異常入試問題、二人劇、学生覆面プロレス――若きミステリ界の新星が限界いっぱいに投げ込む、奇想に満ちた短編集。
内容説明
作家と訪問者の息詰まる神経戦を発端に、読者の認知を極限まで揺さぶる「騙り」の大逆転劇。斯界の話題を独占した『透明人間は密室に潜む』から、奇天烈な発想領域は更に拡大!ハードボイルド、異常入試問題、二人劇、学生覆面プロレス―若きミステリ界の新星が限界いっぱいに投げ込む、奇想に満ちた進化形ミステリ短編集。
著者等紹介
阿津川辰海[アツカワタツミ]
1994年、東京都生まれ。東京大学卒。2017年『名探偵は嘘をつかない』が光文社の新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」の受賞作に選ばれ、デビュー。’20年『透明人間は密室に潜む』が『2021本格ミステリ・ベスト10』で国内1位に輝く。’23年、『阿津川辰海 読書日記 かくしてミステリー作家は語る(新鋭奮闘編)』で第23回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
51
「透明人間は密室に潜む」に続いての作品集第2弾。 1作目も粒ぞろいだったが、今作もまたかなりレベルの高い凝った作品ばかり。 「危険な賭け」 ハードボイルド探偵が殺された謎を追うのだが、終盤あるトリックが。 2作目は入試に推理問題を入れるというある大学。 その事件をあらゆる角度から解いていくという推理が楽しい。 表題作は探偵スルースのように2人の作家同士がお互いの有利を逆手どるように言い合う。 後半の変化は正にタイトル通り。 最後は6人のマスクマンレスラーが殺された相手を探し出す。全員覆面なのが面白い設定。2025/04/18
森オサム
43
「透明人間は密室に潜む」の内容の詳細は余り覚えていないが、とても面白かった記憶がある。本作は2冊目の短編集だそうですが、残念ながらそれほど面白いとは思えなかった。何度も何度もひっくり返せば良いと言う物では無いです、切れ味が無くなるだけ。最後の反転で今まで見ていた景色が一変する、それだけで良くないですか?。今回はそれぞれの設定も凝り過ぎ?ふざけ過ぎ?、ちょっと合わなかったかなぁ。コロナ渦の最初の頃が舞台なので、リモートとかマスクとかも将来読み返した時には感慨深いかも知れませんが。2025/11/07
ひろ
15
1話ごとに趣向を変えた、全4話のミステリ短編集。執筆された当時はコロナ禍であり、その社会情勢が積極的に盛り込まれている。解説にもあるように、今読むと早くも隔世の感があり、特殊な状況を活かしたミステリにも感じられた。どれも緻密に組まれたトリックが効いているが、なかでも大学入試問題が犯人当てとなった狂騒を描いた話が群を抜いて好きだった。ユーモアを織り交ぜつつも、基底にあるのは巧緻な多重解決ミステリ。誤答も正答もどちらも楽しく、オチにはニヤリとさせられた。満足度の高い短編集だった。2025/11/06
lucifer
7
思いっきり騙されたり、目まぐるしく反転したりと今作も4編趣向が違い面白かったし驚嘆したが、前作の方が好きかな。というのも今作の方がちょっと捻りがクドく感じた。2025/09/07
うさみP
7
ミステリもコロナでマスクをする。ますはタイトルと表紙が、著者の知見とミステリの中の普遍性を感じて上手い。ハードボイルド、日常、舞台劇、プロレス。本格ミステリを軸としたバラエティ豊かなノンジャンル短編集。コロナ禍のなかでの大学受験に〈犯人当て〉を導入した炎上ドタバタ劇『2021年度入試という題の推理小説』がベスト。ミステリ好きは笑いながらブチギレだろ(作品は面白いです)。犯人当てに点数はつけられないよね。




