出版社内容情報
真面目な女子高生・美優は予期しない妊娠をしてしまう。堕胎するにはすでに遅く、福祉の手によって奥多摩にあるゲストハウス「グリーンゲイブルズ」に預けられる。そこでは明良と華南子という兄妹が、事情を抱えた子供たちの里親となって、高齢の母・類子と暮らしていた。貧困、虐待など厳しい背景を持つ里子たちを育てる彼らにもまた、絶望の淵に立たされた厳しい過去があった。家族のあり方を問う話題の長編ミステリー。
内容説明
女子高生・美優は思いがけず妊娠してしまう。堕胎するにはすでに遅く、福祉の手によって奥多摩にあるゲストハウス「グリーンゲイブルズ」に預けられる。そこでは明良と華南子という兄妹が、事情を抱えた子どもたちの里親となって、母・類子と暮らしていた。彼らにもまた絶望の淵に立たされた壮絶な過去があるらしいが…。家族のあり方を問う長編ミステリー。
著者等紹介
宇佐美まこと[ウサミマコト]
1957年愛媛県生まれ。2006年「るんびにの子供」で第1回『幽』怪談文学賞“短編部門”大賞を受賞しデビュー。’17年『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞“長編及び連作短編集部門”を受賞。怪異や人間の闇に迫る作品で注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LIBRA
12
前に読んだミステリーがとても面白かったので、こちらを読んでみた。ミステリーでは、無かったものの、こんな物語も書ける方なんだ〜と益々ファンになった。2024/12/25
coldsurgeon
8
心が温かくなる物語だ。家族は生まれるのではなく、家族で作るものだということが伝わる。児童虐待、育児放棄、その果ての性的虐待、さらには望まぬ妊娠出産。社会が抱える家族の暗黒面を記しながら、血のつながりとは関わりのない家族のひとつの在り方が描かれる。子供は、自分で自分を育てる力を持っている。その子を産んだ女性は、子どもにより親となる。文章にすれば当たり前のことが、心の中でじんわりと広がった。2025/01/29
おさと
7
家族とは。それにしても「射精責任」。でもあれって提供者がわからないままだったらよかったんじゃ?誰も知らなかったらインセストタブーも起こりえないような。2025/04/04
ゆきこっち
5
子供を傷つけるのも救うのも大人。人に優しくできる人でありたいと思った。2025/06/07
レミィ
4
冒頭のスピード感に惹かれて読んだ。展開はなんとなく予想はできたので意外性があるとは言えないけれど、全体的に面白かった。ただ、これは果たして「ミステリー」なのだろうか……?なんとなくミステリーとカテゴライズするよりも、社会派小説(このカテゴリが正しいかもわからないが)などとして売り出したほうがこの話を求めている読者層に届く気がした。2024/11/17