出版社内容情報
俺の人生は、ハズレなんかじゃない! お終いにしないためにも、まずは読んでくれ。絶望の先に、何かがあるのを確かめるために。――出世作となった『独白するユニバーサル横メルカトル』の原点に回帰し、珠玉の10作品をまとめた圧巻の傑作短編集
内容説明
深夜、身重の女を助手席に乗せて人気のない峠道に向かった男。車を停めると、隠し持っていた金槌で女の頭を殴りつけた。女は原形をとどめないほど壊されるが、それは男にとっても悪夢のはじまりだった。(表題作)壮絶な賭け試合で重傷を負っても、一晩で回復する不死身の男、その切なくも残酷な理由とは。(「ふじみのちょんぼ」)絶望か救いか、圧巻の十話を収録。
著者等紹介
平山夢明[ヒラヤマユメアキ]
神奈川県出身。1994年『異常快楽殺人』で作家デビュー。2006年、短編「独白するユニバーサル横メルカルト」が日本推理作家協会賞短編部門賞を受賞。『ダイナー』で’10年に日本冒険小説協会大賞、’11年に大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
56
表題作、感動的な程の“くず”だった・・・(*´-`)人体破壊の描写が・・・酷い(褒めてる?)。そりゃ地獄が迎えにくるさ。異形コレクション収録作品を中心とした短編集。平山作品故に登場人物たちは軒並み酷いことになるが、不快感は驚く程、後を引かない。そこには、深くて絶望的な寂漠感と遣る瀬無さがあり、驚く事に登場人物たちへの優しさが潜んでいるから。娘を食べられちゃったり、轢き殺されちゃったり、あるいは息子を悪意に染めて育てたりしてても、何か大切なものを希求する人間の弱さと強さ。『ふじみのちょんぼ』の献身、とか。2024/10/12
雨
23
相変わらずぶっ飛んでる内容でした。ほんとにもうなんて言うかエグい。2024/09/18
Porco
19
話がドロドロぐずぐず。社会的に宿命づけられた弱者が地獄に直下行している作品が印象に残りやすく、九相図のような恐ろしく気味悪いが目を逸らすことができない退廃の美を描くのが上手い。そのようなイエロートラッシュものの系譜ではあるのだが、話がどうしようもなく酷すぎるはずなのに、口に出したくなるオノマトペやコミカルさで読んでいて頬が何故が緩んですらしまう【餌江。は怪談】が一番好きだ。2025/04/02
じゅむろりん
16
8月最初の読了は、暑い夏にぴったりの「8月のくず」。酷暑で朦朧とする中読むのに相応しく、平山氏の多種多様な世界観が詰まった、悪夢とホラーとディストピアの幕の内弁当(または松花堂弁当)。「いつか聴こえなくなる唄」と「裏キオクストック…」のSFは長編でも読みたくなるクオリティ。大好きです。社会の底辺でのたうち回る奴らの絶望と小さな希望の先に待ち受けるのは、決してハッピーではないけど、不幸だけでは終わらない深みがあります。解説にあった「ボリビアの猿」が気になるなー。2025/08/03
ちょん
16
読書メーターで溜まったポイント使ってbookwalkerでゲットした本🎶スマホで読んでいたのと、話がドロドログズグズで読み終わるまでに時間かかりました(笑)「ふじみのちょんぼ」が好き。2025/01/30