出版社内容情報
離婚と転居をきっかけに運命が拓けた妻と、犯罪者に転落した夫。しかし――。(表題作)『月の扉』事件の人質だった玉城聖子が大学生になり、警視庁幹部の大迫、そして「座間味くん」と不可解な話を肴に酒を酌み交わす。すると解決済の事件が座間味くんの一言で様相を変える! 美しいロジックとまさかの真相、本格ミステリーの楽しみ満載の傑作シリーズ最新刊!
内容説明
離婚と転居をきっかけに運命が拓けた妻と、犯罪者に転落した夫。しかし―。(表題作)『月の扉』事件の人質だった玉城聖子が大学生になり、警視庁幹部の大迫、そして「座間味くん」と不可解な話を肴に酒を酌み交わす。すると解決済みの事件が座間味くんの一言で様相を変える!美しいロジックとまさかの真相、本格ミステリーの楽しみ満載の傑作シリーズ最新刊!
著者等紹介
石持浅海[イシモチアサミ]
1966年愛媛県生まれ。九州大学理学部を卒業後、食品会社に勤務。’97年、鮎川哲也編の公募アンソロジー『本格推理11』(光文社文庫)に「暗い箱の中で」が初掲載。2002年、光文社の新人発掘企画「カッパ・ワン」に応募した『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。’03年刊行の第二長編『月の扉』は、各種のランキング企画に上位ランクインし、日本推理作家協会賞の候補にもなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ち~
28
あのハイジャック事件で人質になっていた聖子が二十歳になり食事会に参加。グルメと推理が楽しめる短編7話。推理を披露する前の座間味くんのドキッとする一言がクセになる。スーツ姿で1人キャンプする女性の謎が1番好き。最後にこんな仕掛けをぶっ込んでくるとは!!2024/06/25
ジンベエ親分
21
久しぶりの座間味くんシリーズ。石持浅海の中ではさほど好きなシリーズではないのだが、それでも安定の面白さ。このシリーズは毎回語り手が変わるのだが、今回はなんと初出の「月の扉」で人質になっていた当時1歳の幼児だった聖子。聖子が大学生となり成人した時点から始まり(なんせこのシリーズ、酒が飲めないと語り手は務まらない笑)、エピソードごとに時が進んで聖子は社会人となり、結婚を決めたところで話が締まる。最終話の仕掛けといい、大円団で何となく完結感が。このシリーズ、最初の「月の扉」からもう一度読み返したくなった。2024/09/09
papico
18
人並みに読書はしてきたつもりなのに、中年の今になって、私はミステリが好きかもしれない、ということに気づいた。石持浅海さんのおかげ。最初に読んだのは「殺し屋、やってます」。そこからこのシリーズを読み、今回は本作がシリーズの最新刊とは思わずに読み始んじゃった笑。現時点での最新作を先に読んでしまったのですが、最新作から読んで、またこの物語に戻ってくることが楽しみです!笑 早くもう一回これを読みたいー!笑2025/02/23
hnzwd
18
座間見くんシリーズ最新刊。人質だった子供が成長しつつ、座間見くん、警視庁の大迫と食事しながら謎を解くというスタイル。謎解きというよりは座間見くん目線でガラッと違った解釈が提示される感じでしょうか。好きな形式なので楽しく読めます。初登場!?時には人質だった主人公も成長し、大学、就職、結婚とどんどん時は流れて行きます。タイトルの"新しい世界で"が全編に掛かってるのは素敵。ラストはシリーズ追っかけたプレゼントみたいなものでしょうかね。2024/08/04
なみ
15
座間味くんの切れ味鋭い推理が冴え渡るシリーズ最新刊。 あのときのあの子が、こんなに立派に成長して……と、なぜか親目線で読んでしまいました。 細かい発言から、予想もしなかった物語を拾い上げていく座間味くんの推理が、相変わらず美しかったです。 その推理が真実かどうかは明かされないことが多いのも、このシリーズの好きなところです。そうかもしれない……と想像する余白があるのが良い! 聖子の人生が変わった出来事に関する話『救出』が特に面白かったです。2024/10/07