出版社内容情報
小学校教員・鵜川 勉。同僚・美千代との結婚が現実味を帯び始め、平凡な暮らしがこの先も続くと考えていた。その矢先、美千代の中学時代の後輩・遠沢めいと出会う。鵜川はめいに抗いがたく魅かれるが、彼女には執拗につきまとう男がいた。追い詰められた二人は男の殺人計画を立てる。決行直前、めいからの手紙の一文と不測の停電が、二人の運命を大きく狂わせる――。佐藤正午の傑作、3か月連続新装版刊行第三弾。
内容説明
小学校の同僚との結婚を間近に控えたわたしは、平凡な日常が続くものと信じていた。ある女と出会うまでは。魔に導かれるように女との結びつきは深まっていくが、その背後にもうひとりの存在が現れて。わたし、女、第三の男、そして一丁の拳銃。ひとつのボタンのかけ違いが三人の運命を捻じ曲げていく―。佐藤正午の傑作、三カ月連続新装版刊行第三弾。
著者等紹介
佐藤正午[サトウショウゴ]
1955年長崎県生まれ。’83年『永遠の1/2』で第7回すばる文学賞受賞。2015年『鳩の撃退法』で第6回山田風太郎賞受賞。’17年『月の満ち欠け』で第157回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あきら
27
心地よい脱線感。 都度都度脱線することで本線を見誤りそうになって、物語に惹きつけられる。 こんな主人公は友達になれないけど、憧れる。 2024/07/11
読書と紅茶🥰
2
モテるけれど、とことん女運がない主人公。同僚の教師と看護師との三角関係が主題かとおもいきや全然違った!鵜川の優柔不断さにイライラしたり遠沢の自分勝手さに呆れたり。スマホは当然ないし平気でビールガブ飲みした後に運転するし酒飲み過ぎだしタバコはスパスパ当然のようにポイ捨て😱教師は生徒を殴り、女と寝たら責任とって結婚する。30代の独身男の家に女子高生が下宿…今なら大炎上案件がこれでもかと😂物語の前後関係がわかりづらいけど、求心力があるのでするする読める。結局は二人、よりを戻すんだろうな😂2024/07/27
みやび
2
ボタンのかけ違いで登場人物の運命が捻じ曲がっていく様子が、もどかしくなることが多々あったかも。少し古い時代設定なのか、職員室でタバコが吸えた時代もあったな〜としみじみ。2024/06/23
ko_seki
1
現在と過去の行き来が読むのに面倒なときが多いけれどこの作者の作品は苦にならず、やはり惹きつけられる。2025/02/19
Hashimoto Yasushi
0
人間はいつでも今のことを考えているわけじゃない。過去と今を行ったり来たりして後悔したり納得したり、また未来を考えて絶望したり希望を見たりいているとおもう。 そんな、人間の思考を物語に乗せたような、ひっしやの文体が好きです。2025/06/17
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