出版社内容情報
俺の人生、もっと高く跳べるはず。お笑いでは芽が出ず、身体能力ばかりが評価され、番組の企画で棒高跳に挑戦することになった崖っぷちの芸人。その番組を通じて共演するのは、パリ五輪が目標のいけ好かない大学生アスリート。出会うはずのなかった二人、それぞれの跳躍の先に広がる景色は――。明日を迎えるのがきっと楽になる、夢と現実のその先にある物語。
内容説明
お笑いでは芽が出ず、身体能力ばかりが評価され、番組の企画で棒高跳に挑戦することになった崖っぷちの芸人。その番組を通じて共演するのは、パリ五輪が目標のいけ好かない大学生アスリート。出会うはずのなかった二人、それぞれの跳躍の先に広がる景色は―。
著者等紹介
額賀澪[ヌカガミオ]
1990年茨城県生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業後、広告代理店に勤務。2015年に『屋上のウインドノーツ』(「ウインドノーツ」を改題)で第22回松本清張賞を、『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞を受賞。’16年に『タスキメシ』が第62回青少年読書感想文全国コンクール高等学校部門課題図書となる。青春小説の旗手として多くの支持を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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starbro
236
額賀 澪は、新作中心に読んでいる作家です。アスリート芸人が主人公&棒高跳び競技の小説は初めてです。巴里五輪の前に読めて良かったです。優等生的な発言ではなく、アスリートの本音を聞きたい気がしますが、炎上必死なのかも知れません。 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334102296 2024/03/26
のぶ
122
額賀さんの書くスポーツ小説は爽やかでいい。主人公は御子柴陸。高校の同級生と漫才コンビを結成しプロに挑んだものの、未だ芽が出ず、芸人としては崖っぷち。子どもの頃から運動だけは得意。その運動能力を買われて素人がスポーツ競技に本格的に挑戦するバラエティTV番組にずっとレギュラー出演している。そんな陸に突きつけられた新企画は、棒高跳へ挑戦するというもの。陸上競技の中でメジャーとは思われない棒高跳という競技を取り上げて知らない事の知識を得られて面白かった。競技会の描写も楽しく、スポーツの素晴らしさを再認識した。2024/03/27
美紀ちゃん
116
ワクワクした。棒高跳びのポールはほぼ海外製品を輸入していてコストがかかり値段も高騰。何本も買うことはできない。だから翠は日本製のポールを開発し少しでも安く少しでも早く手に入るポールをと奮闘。棒高跳びは物理学の集合体って感じの競技。カメラの入っていない柴犬コンビの練習。ググッときた。2人とも複雑な想いを抱えている。高く飛びたい。ラストのマスターズの大会でも、震えた。陸の頑張りがすごい。王様ポールもいい感じ。棒高跳びに興味が湧いたし、楽しい読書だった。2024/03/28
雅
107
売れない芸人が番組の企画で棒高跳びに挑戦。 馴染みのない競技でしたが、関わる人達それぞれのドラマが興味深く引き込まれました。面白かった2024/06/09
おしゃべりメガネ
107
額賀さんお得意の感動熱血アスリートモノで、本作は棒高跳にチャレンジ。毎回毎回、あらゆるスポーツをテーマに本当によく取材されてるなぁと。今回は売れない芸人「御子柴」とオリンピック候補「犬飼」の二人が主人公。他のアスリートモノに比べたら、若干静かめかなと感じてましたが、中盤からはいつも通りしっかりと熱さパワーアップで、ラストも定番にちゃんと涙しちゃいました。額賀さんのアスリートモノ、まっすぐなキモチで夢中になって読めるのが素晴らしいですよね。年齢とか境遇とか関係なく、何かに打ち込めるって、大切なコトですね。2024/04/25