出版社内容情報
デパ地下の和菓子屋「みつ屋」のアルバイト店員・アンちゃんが成人式を迎えます。大人になるには、まだ早すぎる気がするけど……。さらに深くなる和菓子の謎と、少しずつ経験を積むアンちゃんの日常が楽しい、大ヒットシリーズ第3弾。シリーズ累計100万部突破!
内容説明
成人式を迎えても、大人になった実感のわかないアンちゃん。同い年の優秀な「みつ屋」の社員と自分を比べて落ち込んだり、金沢で素晴らしいお菓子に出合って目を輝かせたり。まだまだアンちゃんの学びの日々は続きます。これからもそんな日常が―と思いきや、えっ、大好きな椿店長が!?和菓子に込められた様々な想いや謎に迫る、美味しいお仕事ミステリー第三弾。
著者等紹介
坂木司[サカキツカサ]
1969年東京生まれ。2002年『青空の卵』でデビュー。引きこもり探偵・鳥井真一とその人間模様を描いたデビュー作を含む三部作で高い評価を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
修一朗
199
タイトルからしてもしかして立花さんと?と思ったけどもそっち方面じゃなくて椿店長との師弟物語でした。ちょうど職場で「コーチング研修」ってのをやったばかり。話を聞いてくれて気づきを与えてくれて絶対にフォローしてくれるという信頼感がある…,っていうような理想的な上司は現実にはちょっといないなぁ。そんな上司に恵まれた幸せなアンちゃんなのだ。3冊目で成人式というゆっくりペース。金沢に行ってまた経験。アンちゃんの成長をゆっくり見守るシリーズだ。2023/12/10
fukumasagami
174
「また来ても、いいかな」 その言葉に、わっと嬉しさがこみ上げる。 「ぜひ!お待ちしてます」 すると、立花さんがお客様に紙を手渡す。 「差し出がましいようですが、来月の生菓子に山椒風味のものがあります。甘いものもお嫌いでなければ」 そういえば、山椒の果皮の旬は秋だった。 「ありがとう。ここの店は名店員ぞろいだね」 お客さまはもう一度うなずくと、通路を小走りで去っていく。2024/04/14
肉嬢★
153
和菓子のアンシリーズの3冊目。毎回美味しそうな和菓子が出てきて食べたくなるし、何より登場人物が全員良い人過ぎてホッコリする。マドレーヌの追いバターの描写はお腹が鳴る(笑)今回もどのお話も良かったけどお煎餅の歴史に惹かれて興味深く読めた。勘違いしてそのまま覚えてる事って意外と多い気がするから調べたら面白いかも!あとは個性豊かな職場の人達に今回も笑わせて頂きましたが……椿店長ーー!!と叫びたくなった。また続編が出るみたいなので楽しみ♪2023/08/25
ピース
134
話の内容がこれまでと比べて深くなってるような気がした。空港店からヘルプでやって来た桐生さんの未熟な点などは実際のビジネスでも活かせる。更にはお菓子の歴史や成り立ちが深くなってる。そしてついに椿店長が‥いずれはこういうことも起きるよね。いつまでも同じではいられない。だからこそ今を当たり前と思わずに大切にしなければならないと思ってしまった。2023/12/29
どぶねずみ
120
このシリーズも3作目になるが、本作の影響で必ず和菓子を食べるときにはその製造場所を確認するようにしている。これまで自分で買うことのなかった和菓子を自分で買うようになったし、和菓子という作品に込められた意味も考えてから戴くようになった。今回の作品でもアンちゃんの成長が確認できるが、二十歳のバイトの子ができる接客レベルではない。苦手なお客様だっているし、辞めないところも褒めたい。店舗のタイプによって接客方法が変わってくるところも著者は実務経験もあるのでは?と疑うほどリアリティがある。4作目、早く読みたい。2024/02/06