内容説明
東大駒場キャンパスには七つの迷宮がある。その全てに足を踏み入れたとき、明らかになる真相とは!?新興宗教サークル『思索と超越研究会』に所属する東大生・葛城陵治は、朝の勧誘活動中に不思議な女性と出会う。彼女・鈴葦素亜羅はいくつもの宗教をかけもちして天才的な勧誘活動を行なう、人呼んで〈勧誘女王〉だった。彼女の独特な考え方に戸惑いつつ惹かれる葛城。やがて素亜羅も入会した葛城たちのサークルは、駒場寮での死体発見に始まる奇怪な事件の連鎖に遭遇する!新本格推理の雄・小森健太朗が母校・東京大学を舞台に巻き起こす怪事件。この迷宮に、出口はあるのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
93
今年に入って文春文庫で出版されたので、いよいよ次の巻(「本郷の九つの聖域」)が出されるのかと期待して本棚からひっぱり出して再読しました。2000年に出版されたときはかなりマニアック(東京大学の駒場キャンパスが舞台で宗教がらみのミステリー)な感じでしかも超人類的な人物との対決が次にひかえる、ということであまり人気が出ないのではという気がしていました。ところが23年たって文庫化したということは続きが出るのかと思います。2023/05/09
へくとぱすかる
31
私など、世界の終わりが来ようが、逆立ちしても入れない東大が舞台。そんなわけで、やや敬遠感もあったものの、宗教サークルがテーマなので、そこそこおもしろく読了。ラスト近く、なんとなく「アクアリウムの夜」みたいなサスペンスが感じられました。トリックや犯人よりも、登場人物の今後が気になります。平凡な人間なら鼻白んでしまう考えの人って、けっこういそうで怖い。2016/08/25
雪紫
5
再読。宗教の勧誘で東大駒場寮での対立が起こる中、妹が謎の自殺をした18禁漫画家大学生が密室で死に、勧誘員が次々と襲撃される事件が起こる。彼が生前書き残したコンテに描かれた見えない人の犯行による足跡のない殺人。そして明かされる意外な犯人とは? 少し読みにくさがあるものの、これを勧めて白鳥の歌ともいえるコンテと妹の自殺の動機を目の当たりにした反応を見たいなあ、と思う作品。なお、続編はいまだに発売されていない。小森さんの続編、10年以上かかるのは珍しくないからなあ。2018/11/19
syam
3
多少記憶と違うところがあるような気がするが駒場寮とか懐かしい。でも宗教がらみの話多いしトリック(?)は弱いし続くしなので評価としては今一つ。2010/03/26
鳥居
2
東大駒場を舞台にしたミステリ。この大学ならありそうだな、という部分といくらなんでもそれはないのでは、という部分が半々といった感じでした。本郷編に続くということでしたが、未だ刊行されていないようで……。2017/10/08