内容説明
「誰もが知る名作を、原作のもつイメージによみがえらせたい」。気鋭の詩人・木島始と、稀代のグラフィックデザイナーにして絵本作家・堀内誠一が、力をあわせて取り組んだのが本作です(初版は1967年)。このたび、原版を最新技術で製版し直すことで、堀内さんの描いた線とタッチが、ふたたびよみがえりました。主人公ちーちゃんの、ちいさいがゆえの境遇が、真に迫って感じられます。画家が詩心をこめて視覚化したアンデルセンの世界を、どうぞお楽しみください。読んであげるなら5才から、じぶんで読むなら小学校中級むき。
著者等紹介
木島始[キジマハジメ]
1928~2004。京都市に生まれた。東京大学英文学科卒業。91年法政大学教授を辞するまで英語教師生活をおくる。詩、絵本、戯曲、小説、エッセイ、アンソロジー編集、四行連詩の発案など、ジャンルの枠をこえる執筆活動をした
堀内誠一[ホリウチセイイチ]
1932~1987。東京に生まれた。グラフィックデザイナー。カメラやファッション雑誌などのアートディレクションを多く手がけ、イラストレーターとしても、絵本や児童書の分野で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花林糖
15
(図書館本)1967年初版。タイトルの「おやゆびちーちゃん」に惹かれて。ちーちゃん幸せになれて良かったけれど、ツバメがやはり切ない。最後の王子の名前の付け方が腑に落ちない。2015/10/30
クラムボン
13
「おやゆび姫」の名前で知られている作品。一つの物語として見ると、少し散漫な感じがするのは、いったい何故だろうか。以前読んだことがあり、各エピソードの断片は覚えているのだが、さてどんなストーリーだったのか?となると記憶が曖昧になる。ヒキガエルの話、コガネムシの話、野ネズミとモグラの話、ツバメの話は良いとして、それらと「王子さまとの出会い」との繋がりが弱いので、ハッピーエンド感が薄らいでしまうようだ。そして堀内誠一の絵だが、下書きのような印象を受けるのだが、絵が語る物語性は大きいように思う。2023/04/08
マーブル
10
おやゆび姫は異界の存在である。それゆえどこでも疎外され流浪する。最後にふさわしい場所にたどり着き、受け入れられる。「神」的な地位にあると考えるとごく当然のことであり、その道を助けた者の犠牲や、労力は必ずしも報われなくても仕方ない。ラスト羽根がないおやゆび姫はここでも「異人」として疎外されるのかと思いきや、ハエの羽根をもらって事なきを得る。神性の復権とすればこれも納得がゆく。これも一種の貴種流離譚ではないか。貴人に一般人の常識を当てはめようとするのは無駄なことだ。決して恩知らずなどと考えてはいけない。 2024/06/01
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
9
おやゆびひめのお話の登場人物?(カエル・ねずみのおばさん・モグラ・ツバメ)は覚えていたのですが、どういうお話だったかはすっかり忘れてました。それにしても『ちーちゃん』って…。訳された時代なんでしょうか?2018/09/13
亮さん
9
普通のおやゆびひめとほぼ同じ内容。 ちーちゃんという名前だけ?うんという感じで読んでみた。最後の王様のおやゆび姫の名付けは、なんというか突拍子も無い。しかもマーヤってみつばちマーヤかよ。みつばちマーヤのほうがぱくったのかな?しかし、まぁなんというか可愛い子は狙われまくるというのが世の常ですな〜。 2017/06/08