内容説明
鎌倉の名刹・銘月堂は、境内に千羽の鳩が舞い、箏寿庵という有名な庵もあり、観光客を集めていた。十二月八日、雪に降りこめられた箏寿庵で、能面をつけた全裸の女性の首つり死体が発見された。庵は完全な密室だったが、なぜか鳩が一羽、梁に止まっていた。鎌倉西署の宮沢警部補は、この庵が鎌倉文化人たちの密会の場所として使われていたことを突きとめ、同宿の男を捜すが。翌々日、腰越のホテルで映画プロデューサーが変死。犯罪の背後に潜む、ある大女優の“幻の映像”の秘密。二十年を経た恩讐の果ては。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たかだい
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とある禅寺では庵がラブホ代わりに貸し出されており、その庵で面を被った全裸の女が首を吊る事件から話が始まる。さらに、そこにブルーフィルム(非合法なアダルト映画)まで絡んでくる為、官能ミステリーの類かと思えてくるが、そこはしっかり真面目(?)なミステリー作品です 本来なら主題に挙げられる筈の密室の謎は(作中的にもあまり意味がない事もあって)はっきり言ってオマケ程度であり、本質的には(著者自身の経歴が活きているのか)生々しさすら感じられる人間模様がメインのミステリー作品だと感じました 2025/04/14