内容説明
10のテーマで地方のいまを「自分ごと」として考える。
目次
第1章 観光―受け入れる側として捉えるとき
第2章 居場所―「いる」と「やる」の間に生まれるもの
第3章 政治―「強さ」でなく「弱さ」をキーワードとして
第4章 メディア―ローカルを再定義して見えてきたもの
第5章 アート―想像力を持って「出来事化」する
第6章 スポーツ―それは「わたしたちのもの」でもあるのだから
第7章 食―「大量生産」をあえてポジティブに考える
第8章 子育て―「わたし」に吹く風を、もっと大切にできたら
第9章 死―不確実さをおもしろがってみる
第10章 書店―地方に都市をつくるサードプレイス
著者等紹介
小松理虔[コマツリケン]
1979年、いわき市小名浜生まれ。ローカルアクティビスト。地元の商店街でオルタナティブスペース「UDOK.」を主宰しつつ、食、医療福祉、文化芸術などの分野でさまざまな企画、情報発信に携わる。いわき市の地域包括ケアの取り組み「igoku」でグッドデザイン賞金賞、初の単著『新復興論』(ゲンロン叢書)で第18回大佛次郎論壇賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tamami
57
いわき市小名浜在住の著者が、地方と都市との狭間にあって、そのどちらも生かしていこうとする立場から、観光・居場所・政治・メディア・アート・スポーツ・食・子育て・死・書店のテーマで、それぞれとの関わり、自分目線で見た現状を語る。どのテーマにも、著者自身の具体的な動きと独自の捉え方がなされていて、実践を志す向きには大いに参考になるのではないか。独特?の語り口には常に著者の前向きな生き方が感じられ、分かり易く、これならできるかもの感を読者に与えてくれる。いっそ著者の煽動に乗って、一歩踏み出すのもありかもしれない。2022/11/02
おせきはん
29
福島県いわき市に住む著者が、住民の視点から地方について論じています。東京に住んでいる私にとって、著者の視点は新鮮でした。地域活性化を考える際には、一面的にならないよう気をつけます。2023/01/17
Nobuko Hashimoto
27
著者は福島県いわき市の地域活動家。ローカルメディアの発行やさまざまな活動を実践している。タイトルは硬いが、著者の暮らしや実践から、つらつら考えたことを書き留めたエッセイ的なスタイル。つらつら部分はやや冗長だが、具体的な体験や事実、関連図書を引いた部分には興味をひかれた。本書の感想としてはかなり余談的になるが、カニカマの生産量世界1位がリトアニアとは!授業ネタをひとつゲットできた(笑)美術展とか博物館とかでも、思いがけないところで思いがけない事実を知ることがある。なんでも見たり読んだりしてみるもんだ! 2023/01/30
Ñori
3
間にとどまること。都市でもなく田舎でもない「あわい」、資本主義でもなく社会主義でもない「あわい」、あいまいな、そして無意識的な部分に目を向けていく上で示唆的な実例に溢れた一冊であった。2024/03/05
MasaruQ21
3
「自分の住んでいるところは…」と考える時に、無意識に行政区分を使って、「自分の住んでいる○○町は…」と考えていることに気づきました。それが、実際の生活区域と、大分ギャップがあり、見直すきっかけとしたいです。 「都市部」「地方」はどちらかがユートピアって訳ではなく、どちらも上手く活用していくことで、より幸せに過ごせるという提言は首肯できた。何となく多くの自治体が、開発し、人が多く、「リトル・トーキョー」を目指している感じはしている。この辺は、住民の多くを説得する、「停滞」や「縮小するまち」を描けるかが肝要。2023/04/14