出版社内容情報
柴田友厚[シバタ トモアツ]
著・文・その他
内容説明
トヨタ、ダイキン、コマツ…世界で成功する企業が実践していること。日本の産業競争力を左右する鍵はアーキテクチャーとCPS(サイバーフィジカル・システム)にある。
目次
序章 なぜアーキテクチャー戦略が重要なのか
第1章 アーキテクチャー論はいかにして誕生し発展してきたのか
第2章 なぜ日本でモジュール戦略は誤解されてきたのか
第3章 車の脱炭素競争とアーキテクチャー戦略
第4章 自動運転開発競争とアーキテクチャー戦略
第5章 産業アーキテクチャー―日欧高速鉄道システムのアーキテクチャー
第6章 二兎を追う経営―ダイキン工業のモジュール戦略
第7章 製造業のデジタル変容史
終章 日本の正念場 サイバーとフィジカルの好循環へ
著者等紹介
柴田友厚[シバタトモアツ]
1959年北海道札幌市生まれ。学習院大学国際社会科学部教授。東北大学名誉教授。京都大学理学部卒業。ファナック株式会社、笹川平和財団、香川大学大学院教授、東北大学大学院教授を経て2020年から現職。筑波大学大学院経営学修士(MBA)、東京大学大学院先端学際工学博士課程修了。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
007 kazu
27
全体を俯瞰し、システムの構成要素のインターフェースや分割の仕方に着目するアーキテクチャー論。コマツ、ダイキンやEV、鉄道の例証を上げ、非常に分かり易くその概念を説明してくれる。製造業が馴染みやすいため例としてあがるが組織設計やビジネス構造を理解する上でも役立つ概念であり、スマホ、PCそのものやビジネスモデルを想定すると更に分かり易いだろう。しかし、言うは易しもあるはずで成功例も挙げられているが、その最適解を見出すまでのドロドロの努力をしているところが有るはずで、そのあたりも知れるとよかった。 2022/10/12
リットン
10
ITといっても、意味する範囲は広くて、最近は簡単なアプリであれば、素人でも調べながら作れてしまうくらい民主化されてると思う。けど、本書が主眼をおいているいわゆる車や建機、空調などの「ものづくり」と関わるIoTとなると、文系な自分からすると、車の部品やそれぞれの機能とかさっぱりわからないが、IoTとなるとそういう理解も必要なんだろうなぁ。でも、最後に記載されていたIoTのプラットフォームがあると、ハード側のことを切り離してapi仕様に従えばいいし、参入障壁が下がりそうだなぁ。2023/01/14
ちくわ
8
製造業におけるアーキテクチャー戦略を具体例と共に論じていく。日本企業は摺り合わせが得意であり、モジュール化した社会では他国の企業に市場を奪われてしまうといった言説があるものの、本書では、その課題の真因として、システム全体の俯瞰や部分の関係性への着眼といったアーキテクチャーとしての考え方の欠如という点を指摘する。成功例としてのコマツやダイキンの例を挙げているのはイメージがしやすい。著者のバックグラウンドからかファナックへの礼賛が見られる章は気にはなったが、今後の社会の変化と製造業の未来を考える上では良い本。2022/11/23
kenitirokikuti
8
アーキテクチャとモジュール化という概念の学術的起源は、ハーバート・サイモン(1978年ノーベル経済学賞)のエッセイ「複雑性のアーキテクチャー」(1962)。産業界による応用、少なくとも最初期のひとつはIBM。1964年にIBMの技術誌に載った「Architecture of IBM system/360」。のち80年代にオープン・モジュール戦略へと進化する▲「すり合わせ」はインテグラル・アーキテクチャーの翻訳。製品アーキテクチャとしてのそれは生きていない。なお、組織能力としてのすり合わせ能力は異なる概念2022/08/27
gokuri
4
アーキテクチャ、モジュールについて学者として説明しているのだが、前提としての日本的な「すりあわせ」「現場力」がよく理解できていない私に問題があるのか、具体的な企業の取り組みをしめされても、モジュール、アーケテクチャの成功の枠組みがうまく把握できなかった。 さらに、ITにおけるCPS、サイバーとフィジカルの好循環の説明にいたっては、ほとんど理解不能だった。私の実力不足か! 2024/07/31
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