内容説明
約三万人の死者を出した、悪名高い「インパール作戦」。この負け戦を指揮した陸軍中将・牟田口廉也はそれまで、日本陸軍を代表する「常勝将軍」と呼ばれていた―。作戦はどのような経緯を経て実行され、なぜ失敗に至ったのか?数々の思惑がぶつかり合ったインパール作戦は、「牟田口=悪」という単純な図式には回収できない。牟田口の生涯を追い彼の思想や立場を明らかにしつつ、作戦が大本営に認可されるまでの様々な人物・組織による意思決定の過程を分析する。こうした緻密な作業から見えてきたものは、牟田口という人間、そしてインパール作戦の持つ複雑性だった。
目次
序章 陸軍のメカニズム(「任務重視型軍隊」と「環境重視型軍隊」;巨大な組織の宿痾 ほか)
第1章 牟田口廉也の実人物像(生い立ち;陸軍でのキャリア)
第2章 インパール作戦認可までの経緯(情勢の変化に翻弄された作戦;阻害要因の克服 ほか)
第3章 再評価(インパール作戦;牟田口廉也)
著者等紹介
関口高史[セキグチタカシ]
1965年東京都生まれ。軍事研究家。元防衛大学校戦略教官・准教授。防衛大学校人文社会学部国際関係学科、同総合安全保障研究科国際安全保障コース卒業。安全保障学修士。陸上自衛隊入隊後、第1空挺団、陸上幕僚監部調査部(情報運用)、研究本部総合研究部(特命研究・陸上防衛戦略)、防衛大学校防衛学教育学群戦略教育室での勤務を経て現職。予備1等陸佐(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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