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COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
67
遠い宇宙から飛来し、物質との相互作用がほとんどないニュートリノ。カミオカンデのように、巨大な観測設備を建設するだけでも恐ろしく大変なのに、得られた信号を解析するのがさらに輪をかける。中盤はほとんど誤差と統計の話に終始するが、ラストは天文学に戻ってきてくれた。読者としてはニュートリノの源となった天体の同定・発見を期待していたわけだが、それは最後の最後。そこに至るまでの苦労が並大抵ではないことがよくわかる。検出時の喜びがどんなに大きかったかもわかる。これだけの本の本文を数式なしで書いていただいたことは大感謝。2020/05/20
寝落ち6段
15
宇宙はビッグバンという、超膨大なエネルギーの暴発で、超重たい質量が広がって生まれたらしい。つまり、宇宙と呼ばれる範囲には、体積が拡大しているが、とんでもないエネルギーが保存されていることになる。そんな宇宙の謎を解き明かすことができると期待されているのが、数十億光年先から飛んでくる、素粒子ニュートリノ。宇宙学者たちが、その人生をかけて世界の謎を解き明かそうという浪漫。ちっぽけな人間が、宇宙に挑むそのドラマが面白い。物理計算はできないが、私の感想で、誰かが少しでも宇宙に興味を抱いてくれたなら、嬉しい。2023/05/31
黒豆
6
ニュートリノ検出実験装置というとカミオカンデという認識しかなかったが、高エネルギーニュートリノ天文学という領域があり着々と観測(主に南極)、研究が進んでいる事を知る。次の新しい知見はセンサーがバージョンアップされ観測装置が大型化する2023年ごろか?2020/06/24
ひで
2
凄い話過ぎて半分も理解出来ませんでした。ただ、南極の氷河に観測機器を埋め込むなんて、構想する人がいる事に感動します。2020/10/24
con
1
宇宙、素粒子実験のリアルな実態がよくわかる。一番ウエイトが大きいのは土木工事、本書の場合だと、観測機器を南極の氷河の奥深くに設置すること。 他に重要なのは、データ処理ソフトウエアの開発。アルゴリズムを決めるための物理的なセンスに加えて、処理時間を短くするためのエンジニアリングも必要2023/06/12