出版社内容情報
ロンドンを中心に
内容説明
正体不明の匿名アーティスト、全体像に迫る入門書の決定版!
目次
第1章 正体不明の匿名アーティスト
第2章 故郷ブリストルの反骨精神
第3章 世界的ストリート・アーティストへの道
第4章 メディア戦略家
第5章 バンクシーの源流を辿る
第6章 チーム・バンクシー
第7章 表現の自由、民主主義、ストリート・アートの未来
著者等紹介
毛利嘉孝[モウリヨシタカ]
1963年長崎県生まれ。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授。専門は社会学、文化研究/メディア研究。京都大学卒。ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジPh.D.(社会学)。九州大学助教授などを経て現職。現代文化や社会運動を中心に批評活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中玉ケビン砂糖
145
#読了 バンクシーの名を知ったのは、確かどこかのテレビ報道。「権威ある美術館で『勝手に自分の作品を飾った男』を当局が捜索中」という奇妙なニュースの断片だった。その後、『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』のアカデミー賞ノミネート、東京でバンクシー作と思しきグラフィティ(防潮扉のネズミ)の発見・保護、オークション会場でのシュレッダー騒動など周知の通り。しかし、正体を公にしていないのにどうやって真贋を同定するというのだろうか(東京の作品について著者は「おそらくごく初期のもので本人のものだと思う」との弁)。2023/07/16
真香@ゆるゆるペース
144
本書は、正体不明のバンクシーの今の時点で世の中に出ている情報から、ルーツ・活動・作品のことを分かりやすく丁寧に解説。ストリートアート全般のことについても触れられており、よく知らない方でもガイドブックとして読める。反戦・反権力・反資本主義など社会を風刺したダークユーモアが溢れた作品はいかようにも解釈ができ、国や性別問わず誰にでも伝わり、見る人の心に刺さる。蛇足ながらバンクシー展にも足を運んでみたのだけど、70点以上の作品数、ユニークな仕掛け、親切な音声ガイド(無料)と、かなり見応えのある充実した内容でした。2020/11/15
美紀ちゃん
59
オークションにおけるシュレッダーの作品裁断事件、印象的。著者は東京のネズミは本物のバンクシーの作品だと思っていると書いている。2002年頃に東京に滞在していたのではと。バンクシーはチームで活動しているのではないか。世界各地でゲリラ的に出没しているストリート・アーティスト。これからもバンクシーに注目したい。2020/09/30
harass
55
ネットで聞くアーティストの評伝として手に取る。資本主義社会でのささやかなで皮肉な抵抗者に詳しい著者の新書。グラフティ、落書き文化と正当なアートの比較などから、現代美術で名を上げている彼(またはチーム)の作品群の歴史と、彼を生み出した英国大衆文化などの考察。ただまあ、この落書き、異議申し立ての考え方自体が日本には元々ないし、異質のように思う。なかなか面白い本だった。そして、こういう存在も商品として取り込む資本主義についての考察も面白い。2023/09/18
けいご
53
バンクシーと聞くだけで社会が騒めく理由は一体何なのか?が知りたくて手に取った1冊です★経済的に価値のない落書きがバンクシーの手によってグラフィティ、そして現代アートへと進化していった(捉えられる様になった)経緯は印象派アート等とは大きく違った歩みがあってとても面白かったです。ただ、何とな〜くだけども本を読みながら「こんな本読んでないで自分の声を形にしてみなよ?」と本の枠を超えたどこかで声が聞こえた気がしたのでしたw2021/07/03